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パルマのアンティークフェアで見つけたお気に入りの時計たち。

あらゆるジャンルのコレクターが集まる大規模なものだ。もちろん、時計もその期待に違わぬものだった。

先週、ヨーロッパでの仕事の合間を縫って休暇を取っていたはずの私は、イタリア時計界からのサイレンのような呼び出しに抗えずミラノからパルマまで足を伸ばしていた。最終的には日を変えて、鉄道で計2回往復することになった。すでにご存じのように、私は時計に関することについては“消極的”だ。だが、イタリアのコレクターたちと一緒にいると何か心を動かされるものがある。

スーパーコピー時計 代引きしかし、なぜパルマなのか? 生ハムを食べるため(だけ)ではない。年に2回、人口20万人ほどの郊外の街にある巨大で広大なコンベンションセンターで“メルカンテ・イン・フィエラ(Mercante in Fiera)”が開催されているのだ。“パルマの見本市”と聞いて、私は間違ったイメージを持っていた。趣のある、少し老朽化したレンガ造りの建物に、小さなブースと数件の小売店が並んでいるだけだと思っていたのだ。だが、実際はそうではなかった。イタリアの国内外から時計だけでなく、アンティーク、家具、美術品など、何万人ものコレクターがこのフェアに集結し、売買やトレードで掘り出しものを1週間以上かけて狙っているのだ。

ここ数年で見本市における時計の価格は高騰してきているが、それでもまだいくつか良品が売りに出されているのを見たりもするし、(むしろ)来場者の手首に巻かれていたりする。本当は、ここで仕事をするつもりはなかった。しかし念のためにと、カメラを持ってきていた。そして、そう、私はこの下の写真の男性にせがまれて、このPhoto Reportを書くことになったのだ。彼に時計の写真を撮れと言われれば、私は写真を撮るのだ。

パルマのツアーガイドをしてくれた、ジョン・ゴールドバーガー(John Goldberger)氏。

彼はホワイトゴールド製のブレスレット付きオメガ コンステレーションを着用していたが、このモデルはよく見かけるメガクォーツ式ではない。珍しいことに機械式だ。
 その(撮影)プロセスは、まずゴールドバーガー氏が時計を手に取り、親指でクリスタルを掃除し、手のひらの上で重さを量り、時計を傾けて合格かどうかを確認してから、私に手渡すというものだった。そのうち、その工程を自分でやるようになった。会場には何十本ものデイトナに加え、あるケースのなかには4、5本のポール・ニューマンがあり、そしてたくさんのデイデイトと、そのほかにもありとあらゆる名機が存在していた。私が見つけたのは以下のとおりだ。

このマセイ・ティソ タイプ20 “ビッグアイ”は、ディーラーでありヴィンテージハンターでもあるアンジェロ・ガラミン(Angelo Gallamin)氏の私物だ。彼は10年以上前にeBayで厳しい戦いを強いられたと話してくれた。なお、売りものではない。

ブラウンダイヤルといえば、これは私のカメラで撮影していない(iPhoneで撮影した画質の悪い)2枚の時計画像のうちの1枚だ。ブラウンステラ文字盤と全面フィレンツェ仕上げのケースを持つ1962年製ロレックス Ref.1807で、リッチョーネのダニエーレ・マルマレーリ(Daniele Marmanelli)氏の店に展示されていた。私が撮影したときにはすでに売約済みだった。

私が昔から好きな時計のひとつ、UAE(アラブ首長国連邦)の防衛省のために作られたゴールドのロレックス Ref.1675。これも、マルマレーリ氏のものだ。

ロレックスのブラウンダイヤルをもう1本。こちらは、テンパス(Tempus)のエルヴィオ・ピヴァ(Elvio Piva)氏によるイエローゴールドのロレックス “テキサン”(イタリアでは“テキサノ”と呼ぶ)ことRef.5100だ。彼に関する記事はまた追って。

この時代に見られた奇妙な形の時計といえば、IWCのRef.9212がある。バーク仕上げにダイヤモンド、そして赤いハンジャールを備えたこの時計は、オマーンのスルタンのために作られたものだ。ノーチラスウォッチズが販売していた。

会場にはユニバーサル・ジュネーブ愛好家が大集結していた。ここにあるのは、あるコレクターが着用していたスクエアとサークルが融合した極めて興味深いマイクロローター搭載のホワイトゴールド製UGだ。非常に珍しく、私の記憶ではおそらくほかに例がない。

珍しいユニバーサル・ジュネーブをもう1本。個人コレクターが持っていたディスコ ヴォランテ コンピュール クロノグラフ。

テンパスのエルヴィオ・ピヴァ氏が持っていた別の時計もお見せしよう。こちらはジェラルド・ジェンタによるプッシュボタン式のプラチナ製ミニッツリピーターだ。ブレスレットのデザインが実に興味深い。

エルヴィオ氏最後の1本は、ギルトダイヤルのロレックス サブマリーナー Ref.5513だ。この時計はおもしろい出自を持つ。この時計はスウェーデン軍の元隊員のもので、第1次国際連合緊急軍に派遣された際に着用していたものだという。箱と書類、そしてその出所を証明する資料の束に加え、時計には勲章と、彼が派遣中に着用していた国連帽が付属している。

軍用時計といえば、アメリカ海軍のために製造され、クロノグラフを搭載しているにもかかわらず“ポールルーターサブ”と記載されたユニークな“スペースコンパックス”のプロトタイプを。世界でも指折りのユニバーサル・ジュネーブコレクターがついに入手したのだという。

ヴィンテージ市場において最古参のディーラーのひとりであるジェフ・ハリス(Jeff Harris)氏が、ドバイからパルマの駅まで迎えに来てくれた。彼はパテックのRef.3970R(わからない人のために説明しておくと、ローズゴールド製だ)を着用していた。

以前に休暇を利用して、ルガーノにあるザ・ウォッチブティック(The Watch Boutique)のひとつにアレッシオ・ゼンガ(Alessio Zenga)氏を訪ねて行ったことがあった。彼らは今回のフェアで、過小評価されているロレックスのクロノグラフのひとつであるRef.3055(“ピッコリーノ(Piccolino)”、または“ザ・リトルワン(The Little One)”と呼ばれる)を展示していた。そのサイズはわずか30mmだ(素晴らしい)。

最後に紹介するのは、今回のフェアで私がもっとも気に入り、価格がもっと安ければ買っていたであろう時計だ。スティールタイム(Steel Time)が出していたのは、ムーブメントにバルジュー71を搭載した18Kピンクゴールド製のレオニダスで、文字盤はブラックだった。ゴールドであしらわれた書体は、驚くほど美しかった。直径38.5mmと大きめで、パテックのRef.5970のケースにRef.5070風の文字盤を掛け合わせたような時計だった。

次の週末に訪れた際、ゴールドバーガー氏は数十年前に父親のために買ったというイエローゴールドのレオニダスを持参して見せてくれた。父親が一度も着用しなかったことから、ほとんど新品に近い手つかずの状態なのだという。

タイメックスグループ、タイメックス部門の新プレジデント、

タイミングが合わず、マルコ・ザンビアンキ氏への取材は実現しなかったが、ジョルジオ・ガリ S1 オートマチック、そしてジョルジオ・ガリ S2 オートマチックを手がけ、これまでの安価なカジュアルウォッチというイメージとはひと味異なる、新たなタイメックスの魅力を打ち出すジョルジオ・ガリ氏にインタビューすることができた。時計デザインにおける知られざるバックストーリーや、時計業界に大きなインパクトを与えるかもしれない現在進行中のプロジェクトについても話を聞いた。

ジョルジオさんがタイメックスグループに参加されてからの経歴を教えてください。

正確には1994年からタイメックスとは繋がりがありました。1994年にベネトンの持ち株会社だった21 インベスト(21 Investimenti)と協力して、時計やインダストリアル、プロダクトデザインなどを手がける会社を設立したのですが、90年代に人気だったベネトンウォッチは実を言うとタイメックスグループで作られていたんですよ。

 タイメックスグループに参画し始めたのは1996年ですね。といってもタイメックスブランドではなく、グループのライセンスブランド、ノーティカ(NAUTICA)の時計に携わるようになったのが最初です。その後、ヴェルサーチェなどほかのライセンスブランドの時計デザインにも参画して、2001年にコンサルタントとしてタイメックスに携わり始めました。

 ですから、すぐにタイメックスをやり始めたというわけではなく、ライセンスブランドからスタートして、たくさんの時計をデザインしましたね。2007年半ばには自分のデザイン会社をタイメックスに売却して、タイメックスデザインセンター/ジョルジオ・ガリ デザインラボ(Timex Design Center/Giorgio Galli Design Lab)という名前のデザインハウスを立ち上げるという形で、タイメックスのクリエイティブディレクターになりました。

佐藤
タイメックスに参加してデザインした代表作、特に思い入れのある時計はありますか?
ジョルジオ
 それはとても難しい質問ですね。もちろん過去にたくさんの時計をデザインしてきましたが、長年携わるあいだに常に進化していくもので、過去のことは過去のこと。私としては常にいま出しているもの、現在の最新デザインが自分の代表作だという気持ちで仕事をしています。

 答えになっているか分かりませんが、これがタイメックスだと言えるような何かを作りたいとは思っています。歴史や、そのなかで埃を被ってしまっているような部分をキレイに整えて、ブランドのコアとなるもの、ブランドを次のステップ、レベルに引き上げるためのコンセプトを常に考えています。本来ブランドが持ってる価値に焦点が当たるスイートスポットを見つけ出して、それを磨き上げるようなことをやっていきたいのです。でもそれは懐古主義ということではなく、ブランドの持つ価値を新しい視点で解釈し、新しいものを作り上げて、それをお客様に伝えていくということを意識しています。
 

佐藤
ジョルジオ・ガリ S1 オートマチックや、S2 オートマチックなど、近年はハイエンドなラインナップを拡大しようという意図が感じられますが、それはなぜですか?
ジョルジオ
 最近はそうした商品も出していますが、ブランドのコアはこれまでと同じで、高品質で求めやすい価格の時計を提供するというところはまったく変わっていません。やはりそこがブランドのDNA、ベースであるということはとても大切なことなのです。タイメックスのバックグウンドとして、例えば“ダラーウォッチ”のように1ドルに近い価格で懐中時計や、腕時計を提供していました。“この価格帯でこんなものが手に入る”というような革新性のあるものをタイメックスが出していたという歴史があります。

 ラインナップの拡大というよりも、ブランドとして自分たちのプロダクトの信頼性を増したり、コアとする価格帯ではないけれどクオリティやディテールに関して、これだけの技術力を持ち、信頼性の高いものが作れるということを示す側面が大きいですね。高級化を狙っている、高い時計を売りたいということではなくて、 この価格帯でこんなことができるブランドなんだということを見てもらうためのラインナップであると言えます。

 いい品質のものを手にしやすい価格帯で提供しようという部分は変わってないということがブランドにとって非常に重要なのです。(ジョルジオ・ガリ S2 オートマチックなどは)タイメックスとしては高く見えるかもしれませんが、相対的に世の中にあるほかのプロダクトと比較したときに高額になってしまうようなものも、同じ仕上げ、同じ品質でタイメックスは手にしやすい価格で提供していることを知ってもらいたいというのが、最近のラインナップの意図ということですね。

佐藤
S1、S2などに見られる、肉抜きしたミドルケースデザインはどのように生まれたのですか? 
ジョルジオ
 そもそもジョルジオ・ガリコレクションというのは、 タイメックスグループのCEO(トビアス・リース・シュミット/Tobias Reiss Schmidt)から「これまでにたくさんデザインをしてくれているけど、自分が本当にしたいことは何かある?」という宿題をもらったことがきっかけで誕生しています。そのときはアメリカにいたのですが、ミラノに帰っていろいろと考え、自分のエッセンスとタイメックスというブランドの名前から逸脱しないけれど、モダンなスタイル、現代っぽさを少し感じさせるものにしたいと思いました。自分の名前を冠したコレクションをタイメックスブランドとして出すにあたって、やはりタイメックスでのキャリア、そしてデザイナーとしての自分自身のキャリアをどうやったら掛け合わせることができるかを考えたのです。

 コレクションに共通して取り入れている肉抜きしたミドルケースデザインというのは、実は1996年にノーティカをデザインをしたときに取り入れていたディテールです。いまでこそ珍しくはないですが、当時はとても珍しいデザインでありディテールでした。ですから、自身の名前がついたプロダクトを形にするにあたって、これを現代的にアップデートして取り入れることは、デザイナーとしての自分自身のキャリア、タイメックスブランドとしてのキャリアとしてもふさわしいものになると考えました。そこに新しさを加えることは楽しい一方、挑戦的なことではあったのですが、おかげさまでS1もS2も非常に好評で多くの反響がありました。 今後何十年か経ち、ブランドのアーカイブに入ったらうれしいですね。

佐藤
ジョルジオ・ガリ S2 オートマチックは40年ぶりのスイス製タイメックスだそうですが、何か特別な意図はあったのでしょうか?
ジョルジオ
 ちょっと厳密な年は分かりませんが、おそらく70年代の初め頃にそういう時計があったようですね。それがどうして消えてしまったのか、どんな時計だったのかは定かではないのですが…。 ただ、S2に関して言うと最初からスイスメイドのムーブメントを使おうという特別な意図はありませんでした。

 強調しておきたいのは、スイスメイドのムーブメントの使用は戦略やマーケティングの観点に基づいたものではなくて、結果論として搭載されたということです。S2のデザインをしていくなかで、どうやったらより洗練させられるか、よりよいものができるのだろうだろうかと考えたときに、これまでと同じようなムーブメントではなく、スイスメイドであればよりブラッシュアップされて、品質も上がるだろうということ、とにかくいいものを作ろうという考えの結果であることは付け加えておきたいですね。

 ジョルジオ・ガリコレクションは、自分が作りたいものを作るということからスタートしていることもあって、最終サンプルを見せるまでCEOには途中経過や資料のチェックなども特になくプロジェクトが進んでいきました。そういった信頼関係のなかで仕事できたことは幸運でしたし、タイメックスのような規模の大きな会社でそれが実現できたのはユニークだったと思います。売れたという事実もそうですが、タイメックスで新たな魅力を示すことができたのは、このコレクションがもたらしたプライスレスな成果です。

佐藤
デザインする上で大切にしていること、あるいはデザインにおけるプライオリティはありますか?
ジョルジオ
 いきなり時計をデザインし始めるわけではないんですよ。もちろんどんなプロジェクトなのか、どんな時計を作りたいか、作らなければならないかによっても異なりますが、私の場合はストーリーから始めます。大きなビルがあるとして、どういう景観に対して、どういうビルだったら美しいか、どういう建物が求められているかということにも言い換えられますが、“もしこんな時計があったらどうだろう?”ということを夢想して、どういう時計が求められるかを考え始めるのです。例えばアーリーセンチュリーかミッドセンチュリーか、スポーティーかエレガントかによっても考えることは変わっていきます。そこから、この時計をつけたらどうだろうと思いを巡らせて、まずはケースのシェイプ、そこから文字盤、針、インデックス…と、考えていくのです。

 ディテールはもちろん詰めていくんですけど、最初にデザインする上で考えるのは、まずストーリーがあって、この時計をする人はどういう人だろうとか、どういうふうにつけてもらいたいか、つけたらどんなふうに見えるだろうかと考えて、そこにちゃんとストーリーが伴うことが非常に大事なことだと思います。

 今日持っているマーリンジェット オートマチックを例にしてみましょう。マーリンは実際に1950年代、60年代にあったタイメックスの時計なんですが、60年代に有名だった『宇宙家族ジェットソン』というアニメからインスピレーションを得ました。この時計をデザインするときに考えたのは、60年代の時計を復刻することではなくて、例えば、その『宇宙家族ジェットソン』に見られる60年代の人たちが見ていた近未来ってどんなものだっただろうということでした。いろいろな資料を参考にしながら、そっくりそのままそれを持ち込むのではなくて、それを自分なりに解釈して、ここをこうしたら今っぽくなるのではないかという考えを詰め込んだのが、このマーリンジェット オートマチックです。ちょっとレトロスペクティブではあるけど、ただ60年代当時のままではなく、その当時の人たちが、どういう近未来を想像していたかを時計で表現しています。
 

 

ロレックス チェリーニに代わるドレスアップモデルとして1908コレクションを発表した。

昨年、パーペチュアル 1908コレクションをローンチしたロレックスだが、この度新たなドレスコレクションとしてプラチナケースに“ライスグレイン”モチーフダイヤルを組み合わせた時計を投入した。ロレックスは昨年のリリースで伝統的なスタイルを守ったが、プラチナ 1908はより大胆なステートメントを目指しているようである。

ロレックスは昨年、チェリーニに代わるドレスアップモデルとして1908コレクションを発表した。イエローゴールドとホワイトゴールドケースに、シルバーまたはブラック文字盤を組み合わせたシンプルなモデルを4型リリースした。そしていま、プラチナ 1908が導入された。典型的なロレックススタイルでありながら、“ライスグレイン”と呼ばれるモチーフのアイスブルー文字盤と組み合わされている。ブラウンのアリゲーターストラップには、昨年の1908ストラップと同様、グリーンの裏地が付いている。

ロレックスによると、文字盤はエンジン・ターニング(ギヨシェ彫り)加工が施されており、切削工具を用いて文字盤の表面に模様を彫刻している。それはロレックスがいかに、“パーペチュアルコレクションを、古典的な時計製造技術へのオマージュとして据えているか”を示している。数字、スモールセコンド、インデックスは、昨年の金無垢バージョンと同じ。プラチナケースのサイズは39mm、厚さは9.5mm。シースルーバックから見えるのも既存モデルと同様、ゴールドローターを備えたロレックス製Cal.7140である。シリコン製シロキシ・ヘアスプリングと、約66時間のパワーリザーブを備えた自動巻きムーブメントであり、ロレックスの最高水準である、日差-2~+2(ケーシング後)という精度を誇る。


プラチナ製パーペチュアル 1908の希望小売価格は437万300円(税込)だ。

我々の考え

昨年発表されたパーペチュアル 1908コレクションはワクワクしたが、ロレックスの新しいドレスウォッチのラインナップの基礎を築いただけのように感じたのも事実。また39mmはそのほとんどの面積が文字盤のため、少し大きく感じた。ただ新しい“ライスグレイン”ギヨシェのモチーフは、そのスペースを埋めるものであり、そのテクスチャーパターンが実際にどのように見えるのか、楽しみにしている。
 それ以上に、私はロレックスが1908を“伝統的な時計製造技術に自社のノウハウと創造性を注いだオマージュ”と表現したことに興味をそそられる。これが1908の方向性であるならば、複雑さ、クラフツマンシップなど、今後多くのバリエーションが広がる可能性を秘めている。


基本情報
ブランド: ロレックス(Rolex)
モデル名: パーペチュアル 1908(Perpetual 1908)
型番: 52506

直径: 39mm
厚さ: 9.5mm
ケース素材: プラチナ950
文字盤: アイスブルー
インデックス: アプライド
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ブラウンアリゲーターストラップ、プラチナ製デュアルクラスプ

ムーブメント情報
キャリバー: 7140
機能: 時・分・スモールセコンド
パワーリザーブ: 約66時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 38
クロノメーター: 高精度クロノメーター(日差-2~+2秒)

価格 & 発売時期
価格: 437万300円(税込)

関連商品:https://www.hicopy.jp/brand-copy-IP-1.html

タイメックスの新しいジェームスブランド(The James Brand)とのコラボレーションもそうだった。

幸運なことに、私の世界では記事にそれ以上の理由は必要ない。

ジェームスブランドはこれまで関心の範囲外にあった。新しいアクセサリーの趣味に簡単に引き込まれるタイプとしては、幸運にも“Everyday Carry(EDC、日常的に持ち歩く小物や道具に熱中すること)”を回避してきた。2012年にオレゴン州ポートランドで設立されたこの会社を調べてみると、彼らのナイフやその他のアイテムには、今回のタイメックスにも反映されたよく考えぬかれた控えめなデザインが見られる。ナイフやマネークリップ、ペンなど、彼らの製品を深く掘り下げすぎて商品を買いたくなる衝動に駆られず、話題に集中しなければならない。今はただ、時計のためにここにいる。幸いにもこの時計はそれだけで十分に際立っている。


チタンは徐々に手ごろな価格の時計の素材として選ばれるようになった。かつては高級素材とされていたが、今では以前よりも身近になっている。長いあいだ、チタン製の時計にはあまり引かれなかったし、今でもスティールの重厚感を好んでいる。ただし多くの要件を満たしながら、つけやすくて耐久性のある時計をデザインする場合、チタンは理にかなっている。これがタイメックスとジェームスブランドが目指したものだと思う。しかし彼らはさらに1歩進んで、非常にリーズナブルな価格でグレード5チタンを採用したのだ。

この時計のケースは41mm径×11.5mm厚で、マットグレーのチタン製ケース、20mmのラグ幅、200mの防水性能を持つ。厚くなりすぎず、非常に標準的なケースサイズで多くの人々に受け入れられやすい。確かにチタンは少し軽量な素材だが、この時計の重さは120gで、私の持っているシチズン プロマスター スーパー チタニウム ダイバーズ(111g)ほど軽くは感じない。だがそれは必ずしも悪いことではない。先ほど述べたように、重量はしばしば高級感と結びつくため、この時計はそのバランスをうまく保ちながら、それでもチューダーのブラックベイ 58(145g)よりも軽い。
 特に印象的だったのは、チタン製ブレスレットの軽さと頑丈さだ。この価格帯(749ドル、日本円で約11万7000円)ではブレスレットの許容範囲が広く、軽いケース素材と相まって安っぽく感じることがある。しかしこちらのブレスレットは、しっかりとしたフィット感と信頼性の高いクラスプを備えながらも、手首にぴったりと沿い快適な装着感を提供していた。

確かにブレスレットのデザインは特に独創的ではないが、それに注力するのは無駄な努力だ。最初の印象では、ベル&ロスのブレスレットに似ているように見えたが、それは悪いことではない。一部の人にとっては、20mmのラグ幅からクラスプまでテーパーがかっていないことがマイナスかもしれない。ただ繰り返しになるが、私はまったく気にならなかった。
 この時点で、新しいタイメックスに対して少し物足りなさを感じているように聞こえるかもしれないので、ここでリセットさせてほしい。私はこの時計を本当に大好きだ。全体像を振り返ると、この時計は私にとって“ゴルディロックス”のような理想的なバランスを保っていると感じる。チタン製の時計でありながら軽すぎず、一方で素材のよさを感じられるほどに軽量だ。サイズも大きすぎないし、このGMTは価格に対してはかなり印象的だと思う。しかし、まだこの時計のふたつの際立った特徴であるデザインとムーブメントについて触れていない。

新しいタイメックス×ジェームスブランド GMTの全体的なデザインは、またしても静かな成功を収めている。ジェームスブランドがよく使用する大胆なライムグリーンの色を、ブランド名“JAMESº”のºを模したベゼル上の夜光 ポイントなどに使用。それ以外は、時計はマットグレーのチタンケースに合ったモノクロテーマを保っている。6時位置のロゴはホワイトで表現され、ベゼルはグレーとブラックで(昼夜の時間である)6時と18時で分けられており、またダイヤルはブラックにホワイトのインデックスを組み合わせている。
 いくつか調整を試みたかった(あるいは少なくともやってみた)点もあるが、749ドル(日本円で約11万7000円)で完璧な時計を期待するべきではない(それではチューダーやロレックスは商売上がったりになるだろう)。ベゼルの色の組み合わせは美しいが、実物や写真では純粋なブラックに見えることが多かった。この時計は“ペプシ”や“バットマン”としては機能しなかったかもしれないが、ベゼルの色使いが重要なのであれば、もっとコントラストを強くしてもよかったかもしれない。

同様に、ベゼル自体もGMTベゼルではなく、120クリックの逆回転防止ダイバーズベゼルである。これはコスト削減のためだと思うが、それで問題ない。一部の人たちと違い、私はGMTベゼルをあまり使わないので、代わりにGMT針と時間表示機能でタイムゾーンを管理している。幸いなことにベゼルをぶつけてしまっても(実際かなり頻繁に起こることがわかった。12時位置の円形マークが少しずれてイライラした)、それでも固定の24時間スケールが見返しリングの周りにある。インデックスと針に施されたスーパールミノバは24時間スケールを照らすには少し弱いと感じたが、秒針とGMT針に余光塗料が塗布されているので、暗闇でもGMTとして十分に使用できる。

タイメックスが採用した最大の成功は、ミヨタ 9075という“フライヤー”GMTムーブメントを搭載したことだ。私はGMTやトラベルタイムウォッチの大ファン(同僚でGMTの王様であるジェームズ・ステイシーにはおよばないが)だが、気づいたことがひとつある。GMT針を独立して設定する“コーラー”GMT、つまり時間を調整する際にGMT針を設定する必要があるものは、私のコレクションに長く残ることが少ないのだ。
 私の普段使いの時計はロレックス GMTマスター IIであり、ほかの時計を比較する際には常にそれを基準にしている。いくつかの点で、このタイメックスの時計はロレックスを上回る。わずかに薄く、価格が10分の1以下でありながら、素材の面ではより“プレミアム”だと感じる人もいるかもしれない。GMTムーブメントを搭載し、ロレックスと同様にリューズを1段引き出して時針を前後に設定することで新しいタイムゾーンに対応しつつ、GMT針でホームタイムを追跡できる。確かにケースと同様に、ムーブメントの仕上げはロレックスやチューダー、さらにはロンジンのスピリット Zulu Timeほどの高級感はない。パワーリザーブは約40時間であり、精度は日差-10~+30秒だ。しかし、この価格なら文句はない。

ブレスレットにはクイックリリース機能が付いており、さらにはピンバックルタイプのラバーストラップも付属。タイメックス×ジェームスブランド GMTには多くの魅力がある。ただ残念なことにこのモデルは限定版で、1000本だけに個別のシリアルナンバーが入っている(これもプレミアム感を与える要素のひとつだ)。もし私のように頻繁に旅行し、シンプルで手ごろな価格かつ信頼性のある時計を求めるのなら、この時計をすぐに手に入れるべきだと思う。私のコレクションのなかでもきっと頻繁に出番があることだろう。私が出合ったなかで最高の1000ドル以下の(もしかしたら2500ドル以下かもしれない)GMTだと言っても過言ではない。

タイメックス×ジェームス・ブランド GMT。Ref.TWG065500。直径41mm、厚さ11.5mmのグレード5チタンマットケース、ラグ幅20mm、200m防水。ブラック文字盤にプリントと植字のインデックス、インデックスと針にスーパールミノバ。時・分・センターセコンド、“フライヤー”または“トゥルー”GMT。120クリックの逆回転防止GMTベゼル。約40時間パワーリザーブを備えた“トゥルー”GMTのMiyota 9075自動巻きムーブメント。バタフライクラスプ付きクイックリリースチタンブレスレット、ピンバックル付きラバーストラップ付属。世界限定1000本(シリアルナンバー入り)。749ドル(日本円で約11万7000円)

G-SHOCKの5600/2100シリーズにレインボーレンガパターンを施した最新モデルが登場

虹色に輝く、G-SHOCKのアイコニックウォッチだ!

1983年に誕生した初代G-SHOCKから採用されていたレンガパターンが、2024年夏の新作として装いが一新した。今回は文字盤に蒸着でレインボーカラーをあしらった4型が追加された。このモデルは光の反射によりさまざまな色合いを見せるレンガパターンを特徴としている。

ベースモデルにはG-SHOCKの定番である5600シリーズとオクタゴンベゼルの2100シリーズを採用。どちらもG-SHOCK初号機のアイデンティティのひとつであるレンガパターンをあしらっている。5600シリーズは、レインボーカラーのグラデーション蒸着とブラックプリントでデザイン。2100シリーズには、シルバー蒸着にレインボーカラーを塗装し、レーザー処理で部分的に剝離させることでレンガパターンをデザインしている。
 メタルベゼルモデルのストラップと、DW-5600RWおよびGA-2100RWのベゼル&ストラップにはバイオマスプラスチックを使用。G-SHOCKの持続可能性に対する取り組みが感じられる。
 G-SHOCKの代名詞と言える耐衝撃構造や20気圧の防水性はもちろん、スーパーイルミネーターLEDバックライト、ストップウォッチ、タイマー、マルチアラーム、フルオートカレンダーなど、多彩な機能を備えている。電池寿命は約3年から5年と長く、実用性も申し分ない。
 ケースサイズは、5600シリーズが49.6×43.2×12.9mm(縦×横×厚さ)、2100シリーズは44.4mm径、11.8mm厚。価格はそれぞれ異なり、2100のメタルモデルが3万2450円、2100のカーボン樹脂モデルが2万900円、5600のメタルモデルが2万9700円で、5600のカーボン樹脂モデルが1万6500円(すべて税込)となっている。

ファースト・インプレッション

G-SHOCKからはほぼ毎年レインボーをまとったモデルが登場しており、もはや同カラーはブランドの十八番と言っても過言ではない(2023年のレインボーモデルの詳細はこちら)。今回は5600シリーズと2100シリーズというG-SHOCKのアイコニックなモデルをベースにしているため、ファンにとってはなじみ深く、それでいて新鮮なデザインに仕上がっていると感じる。
 あくまでもダイヤルのみにレインボーカラーを取り入れているのが魅力で、派手すぎず、でもしっかりと個性を主張している。光の反射により変化するレンガパターンは、見る角度によって多彩な表情を見せ、目を引くと同時に洗練されていると感じる。アナログの針と視覚的にインパクトが強い時計が好きな私はGA-2100RWが好み。メタル×レインボーの掛け合わせがスタイリッシュで、金属の冷たい質感とレインボーカラーの華やかさがマッチしていて、4型のなかでもいちばん好きなモデルだ。欲を言うと細い手首の私がよりつけやすいBABY-G(BGA-280シリーズとか)でもぜひ出して欲しいところ。
 視覚的な美観と実用性を兼ね備えたこのモデルは、時計ファンだけでなく、ファッションアイテムとしても多くの人々に愛されるだろう。なにより先例として取り上げた昨年のレインボーG-SHOCKはブレスレットもフルメタルの仕様のみで価格が8万円であったのに対し、新作はカーボン樹脂モデルが1万円台と大変手ごろな価格となっている。手の届くタフネスウォッチであるG-SHOCKの魅力が最大限生かされた新作だ。

基本情報
ブランド: G-SHOCK
モデル名: レインボー ブリック ウォール(RAINBOW BRICK WALL)
型番: GM-2100RW-1AJF、GA-2100RW-1AJF、GM-5600RW-1JF、DW-5600RW-1JF

直径: 49.3mm(GM-2100RW-1AJF、GA-2100RW-1AJF)、49.6mm(GM-5600RW-1JF、DW-5600RW-1JF)
厚さ: 11.8mm(GM-2100RW-1AJF、GA-2100RW-1AJF)、12.9mm(GM-5600RW-1JF)、13.4mm(DW-5600RW-1JF)
ケース素材: 鍛造ステンレス、グラスファイバー強化樹脂(GM-2100RW-1AJF、GM-5600RW-1JF)、グラスファイバー強化樹脂(GA-2100RW-1AJF、DW-5600RW-1JF)
文字盤: レインボーカラーのグラデーション蒸着
夜光: LEDライト(スーパーイルミネーター)
防水性能: 20気圧防水
ストラップ/ブレスレット: グラスファイバー強化樹脂
追加情報: 48都市のワールドタイム、100分の1秒ストップウォッチ、タイマー、時刻アラーム(GM-2100RW-1AJF、GA-2100RW-1AJF)、100分の1秒ストップウォッチ、タイマー、マルチアラーム、報音フラッシュ機能(GM-5600RW-1JF、DW-5600RW-1JF)



価格 & 発売時期
価格: GM-2100RW-1AJFは3万2450円、GA-2100RW-1AJFは2万900円、GM-5600RW-1JFは2万9700円、DW-5600RW-1JFは1万6500円(すべて税込)

関連商品:https://www.jpan007.com/brands-category-b-7.html

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