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ジュネーブウォッチグランプリ(GPHG)で入賞した時計のなかから、見逃しがちな4本を取り上げる。

本日は、ベルナルド・レデラー(Bernhard Lederer)氏による今年のクロノメトリー賞に注目する。この賞は、“優れた精密計時性能(特殊なエスケープメントまたは独特の調整装置)が際立ち、検査機関によって公式に認定(ISO 3159規格)された最優秀の時計”に与えられる特別賞だ。
1年ちょっと前、元同僚のローガン・ベイカーのすすめで、ウォッチタイム期間中にニューヨークを訪れていたベルナルド・レデラー氏に初めて会った。ベイカーが執筆したレデラーのセントラル インパルス クロノメーターに関する詳細な記事は魅力的だったが、当時の私には少し難しく感じたかもしれない。しかし、“レデラー氏に会えば有益な情報が得られるだけでなく、とても楽しめるはずだ”というベイカーの説得力ある言葉に背中を押され、会うことを決めた。予想どおり予定の1時間をはるかに超えて会話が続き、それ以来私はレデラー氏の時計に強く引かれるようになった。
 今日は、ジュネーブウォッチグランプリ(GPHG)でクロノメトリー賞を受賞した、セントラル インパルス クロノメーターの最新モデルである“トリプル サーティファイド オブザバトリークロノメーター”を取り上げる。しかしその前に、すべてがどこから始まったのかを振り返る。

私はレデラー氏が“確固たる信念を持つ”時計職人であることを知った。彼に、ほかの時計職人のムーブメントについて率直に尋ねれば、何がよくて何が悪いのかについて正直な意見をたっぷり教えてくれる。特定のムーブメントだけでなくその背後にあるコンセプト自体の欠点についても、レデラー氏が記事のなかで巧みに指摘している部分をベイカーの記事で読むことができる。たとえばナチュラル脱進機について、レデラー氏は脱進機の重量がゼロ(追加のエネルギーを必要としない)である場合にのみ本当に機能すると主張している。まあ、それはまた別の機会に詳しく話そう(前述の記事も参照)。
 レデラーの最新作を理解するためには、彼のオリジナルのセントラル インパルス クロノメーターを振り返る価値がある。しかし、それにはかなり深い専門知識が必要であり、この記事(そしてこの時計)は必ずしも万人向けではないことをご了承いただきたい。セントラル インパルス クロノメーターは、その名が示すとおりブレゲのナチュラル脱進機とジョージ・ダニエルズ(George Daniels)が開発した独立した、2輪のデュアルインパルス脱進機からインスピレーションを得た脱進機を搭載した高精度ムーブメントだ。このムーブメントはCal.9012で、基本モデルとほぼ同じ構造となっている。レデラー氏は今年初め、このムーブメントの小型版を39mmのCIC(セントラル インパルス クロノメーター)用に製作したが、今回のモデルでは大型化されたムーブメントを使用しており、下の写真のように44mmのケースに収められている。

 本作は4番車と5番車のあいだに配置される、ふたつのルモントワールを備えた二重輪列を特徴としている。これにより各エスケープホイールへのエネルギーとトルクが安定して供給され、より安定した動作と精度の向上を実現している。ルモントワールは時間差で動作するよう設計されており、それぞれが10秒ごとに作動しながら、交互に連動して5秒ごとに動力を解放する。この過程を経て、テンプに直接力が伝わる仕組みになっている。

 オリジナルのCICウォッチにはふたつの輪列があるため秒針が2本搭載され、それぞれが逆方向に動いていた。文字盤にはガンギ車や10秒ごとにルモントワールを巻き上げる役割を果たすルーローの三角形(数学や工学の分野で知られる特殊な図形のひとつ)が見える開口部が設けられていた。これはあくまで個人的な好みだが、私はこのデザイン要素があまり好きではなかった。今年初めに発表されたルノー・ティシエ “マンデー”というモデルもこの時計によく似たデザインだが、やはり私の好みには合わなかった。どちらも魅力的な技術を備えてはいるものの、私がこのような時計に求める、クラシックで深みのある魅力を感じることはできなかった。

 新作のレデラー トリプル サーティファイド オブザバトリークロノメーターは、美的にも大きな進化を遂げた、時計製造の魅力的な物語を語るモデルだ。残念ながらこの時計はGPHGの投票過程で予定よりも早く情報が漏れてしまった(ただし、タイムオンリー部門で最終選考に残っている)。だがそのリークがすぐに私の興味を引いた。今回の新作は、優れたムーブメントとドーム型ケースバックを継承しつつ、904Lステンレススティール製ケースを採用している。またデザインも刷新され、頑丈なスターリングシルバー製ダイヤルを備えたことで、44mm×12.2mmというサイズながらスポーティでカジュアルな印象を与え、より装着しやすくなった。これだけでもこのモデルをより魅力的なリリースにしているが、まずはムーブメントに焦点を当てたいため、デザインについてはのちほど触れる。


 この手巻きムーブメントは、ふたつの独立した輪列、ふたつのルモントワール・デガリテ、そしてナチュラル脱進機を搭載しており、時・分そして簡潔なシングルセコンド表示を備えている。レデラーは古典的なスイス時計製造のアプローチに対して、より現代的なムーブメントデザインと仕上げを採用しており、それが非常に効果的に機能している。特にケース内で縦横に広がるブリッジの角ばった形状は、この複雑なアイデアが斬新でモダンな解釈であることを力強く物語っている。このアイデアは長年にわたりさまざまな形で試みられてきたが、レデラー氏のアプローチは独特で洗練されている。


 CIC全体をとおして、この独特なケース構造は私のお気に入りの特徴のひとつだ。ミドルケースのエッジを部分的に切り取ることで、レデラーはムーブメントをさまざまな角度から鑑賞できるようにしている。また裏蓋はネジではなく接着剤で固定されており、そのため修理が難しくなっているように思う。ただレデラーのチーム以外でこの時計を修理してくれる人がいるとは思えない。



 ムーブメントには、限定8本のトリプル サーティファイド オブザバトリークロノメーターのみに刻まれる黄金のコンパスローズが施されている。そのほかの部分にも、美しい面取りやポリッシュ仕上げ、つや消し加工が施されているが、このような時計を選ぶ理由は仕上げの美しさよりも、そのクロノメトリー性能にあると私は思う。


 文字盤側に目を戻すと、ひとつのインダイヤルの内側に経度と緯度の3つの座標が刻まれていることに気づくだろう。この背景には、オリジナルのCICにまつわる物語がある。初期のころ、レデラー氏はスイスの法的要件である公式認定を受けていないにもかかわらず、自身の時計を“クロノメーター”と呼んだことで批判を受けた。しかし、彼がこの時計をクロノメーターと主張するには、それなりの理由があった。採用された脱進機の技術的特性や、彼自身のテストで精度基準を満たしていたことなどが挙げられる。ただしこの時計のテストは非常に難しかった。ダブル輪列と4つのルモントワールを備えた構造のため、ほとんどの標準的なテスト装置では正確に測定することができなかったからだ。
 この課題をいちど解決したあと、レデラー氏は新作ウォッチのテストをさらに高い次元へ引き上げることを決意した。フランスのブザンソン、ドイツのグラスヒュッテ、そしてスイスのジュネーブにあるクロノメトリー検定所(Observatoire Chronométrique)でそれぞれの時計をテストしたのだ。各時計には、これら3カ所の検定所から発行されるテスト証明書が添付されており、レデラー氏がこのプロジェクトに込めた自信がさらに裏付けられている。当初の計画ではこれらの地名をすべて文字盤に記載する予定だったが、グラスヒュッテという名称は保護対象であり、その計画が問題を招く可能性があると指摘を受けた。結果として、この方法は彼の業績を控えめかつ洗練された形で誇示することとなった。

 よりシンプルで視認性の高い針のデザインなど、ほかにも素晴らしいディテールや改良が施されている。針は美しい青焼きが施された2ピース構造で、手作業で曲げられている。ただこれらのデザインにも細かな工夫が込められている。分針の内側にはポインターがあり、6つの目盛りで構成された特別なスケールを指し示す。この目盛りはそれぞれ10秒間隔を表しており、ルモントワールの機構によって針は10秒ごとに動き、そのスケールに正確に一致する。

 レデラーの卓越した時計技術はそのままにデザイン面での一貫性が増し、ブランドの魅力が高まっている。だが新作のトリプル サーティファイド オブザバトリークロノメーターは限定8本のみの製造で、価格は14万6000スイスフラン(日本円で約2460万円)と高額だ。レデラー氏は“ゆっくり、着実に”を信条としており、この新作が彼の数十年にわたる経験を基にした新たな世代のレデラーウォッチの幕開けとなることを期待している。

アウトドローモがMobil 1、新たな限定モデルが登場した。

アウトドローモは、初期にてがけたデザインのひとつであるモノポストを特別な経緯で復活させた。モノポストの初代モデルは、アウトドローモ創設者のブラッドリー・プライス(Bradley Price)氏が第2作目として取り組んだ機械式時計のデザインから2012年11月に誕生した。このモデルはプライス氏が抱くモータースポーツへの情熱から生まれたもので、1950年代のシングルシーターカテゴリのグランプリカー、その計器にオマージュを示したデザインが特徴だ。特に赤く塗られたエリアがその象徴的なディテールとなっている。初代モデルは2色展開で各250本が生産され、即座に完売した。この成功により、アウトドローモは時計ブランドとしての地位を確立することとなったのである。2017年にはモノポストをクロノグラフとして再設計したものの、それ以降このシリーズは休眠状態に入った。

それから12年以上の時を経た現在、モノポスト Mobile 1 エディションとして3針モデルとして復活を果たした。Mobil 1 レーシングチームとのパートナーシップのもと、合成エンジンオイルMobil 1の50周年を記念した限定モデルである。直径43mmのステンレススティール(SS)ケース(金メッキ版も用意)という外観は初代モデルと共通だが、それ以外には多くの改良が加えられている。

 直径が大きい点に少々抵抗を感じるかもしれない(まあ理解できる)が、今回のモデルではケースの厚さが初代の11.98mmから10.8mmにスリム化されており、ワイヤーラグが手首によりフィットしやすくなったことを期待したい。また初代モデルで採用されていたミネラルクリスタルは、より高品質なサファイアクリスタルに変更されている。この点は、大振りな風防のサイズを考慮すれば必須の改良といえる。内部には従来のCal.821Aに代わり、ミヨタのCal.9039が搭載されており、デイトを排した仕様となっている。

今回最大の変更点は、新たに採用された光沢のあるホワイトダイヤルだ。一部の文字表記やフォントは若干アップデートされ、クロノグラフ版からの要素が取り入れられているが、この時計最大の魅力は6時位置のすぐ上に配された赤いペガサスのロゴにある。これはMobil 1のレーシングスピリットとブランドアイデンティティを象徴する、ひと目でそれとわかるシグネチャーデザインである。また風防からはレッドラインが削除されており、同要素をガラスの一部に塗装していた従来のモノポストとは異なる仕様となっている。さらにMobil 1のカラースキームを反映し、時刻表示の文字やスケルトン仕様の針はダークブルーで仕上げられ、秒針は赤いペガサスのロゴと同じカラーとなっている。
 モノポスト Mobile 1 エディションは合計150本の限定生産で、そのうち100本がSSケース、50本が金メッキを施したSSケースとなる。SS版の販売価格は875ドル(日本円で約13万6000円)、金メッキ版は950ドル(日本円で約14万8000円)。各モデルにはシリアルナンバーが刻印され、対応する番号が入ったコレクターズボックスとともに提供される。

我々の考え
現在のアウトドローモを知る人の多くは、おそらくグループBモデルをきっかけにブランドを知ったのではないだろうか。それが同ブランドにおける代表的なヒット作であることは間違いない。しかし個人的にはあまり話題にならないアウトドローモのデザインも好きで、特にモノポストはその筆頭だ。昨年、初代モノポストを試す機会があったが、サイズが大きいとはいえ楽しめる1本だった。

自分の手首には合わないが、遠くから眺めるには実に魅力的な時計だ。とはいえ手首の大きい人や、あえてオーバーサイズの時計をつけてドライブしたい人にはぴったりの1本だろう。今回の新バージョンがどのような仕上がりになっているのか、実際に手に取って試してみたい。薄型ケースへの変更が着用感にどれほどの影響を与えているのか気になるところだ。ただし大径ケースの時計は、厚みを抑えることでかえって大きく見えてしまうこともある。

デザインの面では、Mobil 1 エディションで施された変更点を高く評価したい。2017年のクロノグラフ版から採用されたダイヤルのフォントを取り入れたのは正解だろう。3針のモノポストに落とし込んだことで、全体的にすっきりと洗練された印象になった。ダイヤルに過度な装飾を施さなかったことで赤いペガサスが際立ち、それこそがこのモデルの狙いなのだと思う。モノポストの復活をこのパートナーシップの発表の場として活用したのは、実に粋な演出だ。


そして何よりもこのモデルの素晴らしい点は、モノポストが単なるモータースポーツへのオマージュではなく、Mobil 1と公式にコラボレーションした時計になったことである。アウトドローモのようなブランドからすると、これは創設者ブラッドリー・プライス氏にとっても大きな出来事だろう。クラシックなモータースポーツに精通しているわけではない自分でさえ、赤いペガサスのロゴが持つアイコニックな存在感は理解している。モータースポーツ業界で名を馳せるMobil 1が、一般的にはまだニッチな存在であるアウトドローモとのパートナーシップを組んだことは、まさに夢のような展開ではないか。この限定モデルはアウトドローモの熱心なコレクターやモータースポーツ愛好家にとって、ぜひ手に入れたい1本になることだろう。

基本情報
ブランド: アウトドローモ
モデル名: モノポスト Mobile 1 エディション

直径: 43mm
厚さ: 10.8mm
ケース素材: SS/金メッキを施したSS
文字盤色: 光沢のある白
インデックス: プリント
夜光: なし
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: イタリア製バッファローレザー、ブルー(SS製モデル)/ブラック(金メッキを施したSS製モデル)

ムーブメント情報
キャリバー: ミヨタ 9039
機能: 時・分・秒表示
パワーリザーブ: 42時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 24

モー・コッポレッタ氏が、新進ブランドでデザイナーとしての新たな役割を担う。

フェアで見かけるとは思っていなかったが、仕立てのいいスーツに厚めのフレームのメガネが印象的な人物だった。しかし、その洗練された装いだけではモー・コッポレッタ(Mo Coppoletta)氏の多彩なバックグラウンドをすべて読み取ることはできない。彼はタトゥーアーティストとしてキャリアをスタートさせ、そのあとカーデザインやインテリア、スピリッツ、メンズウェアといった幅広い分野でデザインを手がけてきた。そして今、彼がクリエイティブを率いるのが“ガガ・ラボラトリオ(Gagà Laboratorio)”という比較的新しいブランドだ。コンセプトは、“イタリアンデザインとスイスの精密技術が融合したラグジュアリーウォッチ”。 現行モデルのラボルマティックは、その独特で目を引くデザインが印象的だった。そこでブランドマネージャーと話をしたあと、実機を詳しく見るために2本取り寄せてみることにした。

ラボルマティック・バウハウス
ラボルマティックにはふたつのバージョンがあり、上のバウハウスと下のチンクアンタは、どちらも市場でよく見かけるデザインとは一線を画している。個人的に、アイデアの先駆者でないなら少なくともその分野で最高のものをつくるべきだと思っている。そうでなければ、まったく新しいものを生み出すほうがいい。そんななか称賛すべき点は、コッポレッタ氏がこの退屈になりがちな市場に対する鮮やかなアンチテーゼを提示していることだ。

コッポレッタ氏の時計デザインへの進出はこれが初めてではない。過去にはブルガリやクロノパッションと協力し、タトゥーをモチーフにした限定オクト フィニッシモを手がけている。ただ、タトゥーのない自分としては、あの限定モデルについて深く考えたことはなかった。自分のスタイルに合うとは思えなかったからだ。しかし新しいラボルマティックでは、彼のクリエイティブなデザインがより身につけやすい形で表現されている。

ラボルマティック・チンクアンタ
この時計は独特なセクタースタイルのダイヤルを採用しており、立体感にあふれている。4つの象限と時刻表示を囲むフレームが盛り上がり、その内部にはドーム状のセクションが配置されている。さらに中央の分表示は1段高くなっており、コントラストのあるカラーを採用。そして文字盤中央にはブランドロゴ入りのキャップが配され、これがスモールセコンドとして回転する仕組みだ。内部には自動巻きムーブメントを搭載しており、シースルーバック、ドーム型サファイアクリスタルで全体的に厚みのあるデザインとなっている。その結果ステンレススティールケースのサイズは42mm径、厚さは13.3mmと、ややボリューム感のある仕上がりだ。

印象的なデザインもさることながら、この時計の主役はやはりディスプレイだ。一見すると、カルティエのタンク・ア・ギシェのようなジャンピングアワーに見えるかもしれない。しかし、5000ドル(日本円で約77万円)以下の価格帯でそれを期待するのは少々無理がある。実際にはアワーディスクが文字盤の下に隠されており、12時位置の開口部を通して時間を読み取る仕組みだ。

両バージョンとも時刻を指し示す赤い矢印が付いているが、ジャンピングアワーのように瞬時に切り替わるわけではなく、時間が経つにつれてゆっくりと回転していく。そのため時刻表示の数字は時間が進むにつれて部分的にフレームから外れることがあるが、それを補うためにディスク上で数字が繰り返し配置されている。ただし大きな数字がディスプレイの中央にしっかり表示されるのは、ちょうど時間が切り替わるタイミングのみとなる。この仕様は最初少し戸惑うかもしれないが、慣れれば問題なく判読できる。

文字盤の中央、スモールセコンドの周囲には分表示が配置されている。バウハウスバージョンでは目盛りと長めのインデックスが描かれており、5分刻みの間隔が強調されている。時刻を示すのは小さな赤い針で、先端には円と矢印があしらわれている。一方チンクアンタでは、ミニッツトラックが個性的でスタイリッシュなフォントで描かれ、ボックスのなかに収められた矢印が分を指し示すデザインになっている。

このデザインは視認性に優れ、かつクリエイティブだ。しかし何よりも特筆すべきは(残念ながら、これを称賛しなければならないほど)フォントの選択が素晴らしいことだ。そう、これはクールなフォントなのだ。多くのブランドが似たようなフォントばかりを使い、セリフ体とサンセリフ体をごちゃ混ぜにし、無料フォントサイトのdafont.comから適当に拾ってきたようなデザインを採用しているのが現状だ。そんななかガガ・ラボラトリオは大手ブランドよりも真剣にフォント選びに取り組んでいる。

全体的なプロダクトとして見ると、視認性の面では決してひと目で読み取りやすい時計とは言えない。しかし私はウルベルクやMB&Fといった、時間をシンプルに伝えることを第1に考えていないブランドのファンでもある。そのためガガ・ラボラトリオが既存の枠にとらわれず、新しい試みに挑戦している点は評価したい。とはいえブランドが今後さらに進化し、デザインやモデル展開を広げていくうえで、いくつか指摘したい点もある。


シースルーバックをとおして、ガガ・ラボラトリオはムーブメントを披露している。このモデルはラ・ジュー・ペレのLJP-G100を搭載し、ディスク表示を可能にするためのカスタマイズが施されている。またローターはブランドロゴを想起させるデザインに改められており、クリエイティブなアプローチが見られる。しかしここからが問題だった。この時計を実際に使い始めた途端、私の評価が少し変わり始めたのだ。

ラ・ジュー・ペレのLJP-G100は、信頼性の高いエボーシュムーブメントであり、しばしばセリタSW-200の代替として使用される。ただし、パワーリザーブはSW-200の約80%増しと、持続時間の面で優れている。このムーブメントは、ファーラン・マリの3針セクターやアンオーダインのモデル1(手巻き仕様のSW-210版も併売)、ファラーのレゾリュート IIなど、さまざまなブランドの時計に採用されている。なかでもアンオーダインは最も高額なモデルで、最小サイズで2688ドル(日本円で約40万円)する。ただし、同ブランドのモデルはガラス質のエナメルダイヤルを採用しており、ダイヤルのクオリティを考えれば非常に優れたコストパフォーマンスを誇る。一方でこのラボルマティックの価格は3900スイスフラン(日本円で約65万円)。ほかのLJP-G100搭載モデルと比べると、かなり高めの設定となっている。確かにユニークな表示スタイルではあるが、ムーブメント自体のコストと直接結びつく価値の提案としてはやや弱い印象を受ける。

ローターも腕につけているとかなり緩い印象を受けた。この感覚は、むしろ1000ドル(日本円で約15万円)以下のダイバーズウォッチに期待するものであり、税込みで5000ドル(日本円で約75万円)近くになる時計では少々気になるポイントだ。また、12時位置に配置されたリューズはデザインとしては素晴らしいが、実際に時刻を調整する際にはやや扱いづらさを感じた。この問題は、かつてのF.P.ジュルヌのクロノメーター・レゾナンスでも見られたものだ。つまり、ガガ・ラボラトリオだけが機能性よりもデザインを優先したわけではない。しかし、ジュルヌは最終的にこの設計を改めている。
 予想どおり、ラボルマティックの両バージョンにおいて最も魅力的なのは、やはりデザインの要素だ。モー・コッポレッタ氏は全体のルックスに相当なこだわりを持って取り組んだことがうかがえる。ケースには独特なフレア状の段差を持つラグが採用されており、これはスパイダーラグと、パテックのRef.2549に見られるデビルズホーンラグを掛け合わせたような印象だ。またイタリアンブランドであるロックマン デシモ・カントも、これに似た(より大胆な)デザインを採用している。ケース素材についてはプレミアム・ステンレススティールとされているが、具体的にどの合金が使われているのかは明記されていない。仕上げは基本的にポリッシュだが、バウハウスモデルではミドルケースとラグの段差の一部にアンスラサイト調のサテン仕上げが施されており、適度なコントラストが加えられている点は好印象だ。

本作はミッドセンチュリー調のデザインにインスピレーションを受けているように見えるが、なぜかアステカ的な雰囲気を感じずにはいられない。その理由をはっきりと言葉にするのは難しいのだが、もしかするとあなたも同じ印象を受けるかもしれない。特にチンクアンタではそれが顕著に感じられる。このモデルはその名のとおり1950年代をテーマにしており、その時代のデザイン要素を色濃く取り入れている。

ブラックダイヤルのほうが実用的で、さまざまなシーンで使いやすいのは間違いない。しかしチンクアンタのソフトなブルーグリーンの色合いに加え、数字のデザインや、ミニッツトラックを囲むフレームの細やかなつくり込みを考えると、個人的にはこちらを選びたい。コッポレッタ氏はまだまだアイデアのストックが尽きることはないだろう。価格設定、フィット感、仕上げにさらに磨きをかければ、ガガ・ラボラトリオは画一的なモデルが多い市場において、引き続きユニークな選択肢を提供し続けることができるはずだ。

ガガ・ラボラトリオ ラボルマティック。Ref.LMBA-001(バウハウス)、Ref.LM50-001(チンクアンタ)。ステンレススティールケース、直径42mm、厚さ13.3mm、防水性能の記載なし。12時位置にディスク式の時表示、中央に円形の分表示とスモールセコンドを配置。ムーブメントはラ・ジュー・ペレLJP-G100を改良し、最大約68時間のパワーリザーブ。ストラップはイタリア製サフィアーノレザー。

グランドセイコー ヘリテージコレクション SBGH359 阪急うめだ本店限定モデル

これまでにもユニークなグレーストライプダイヤルのスプリングドライブや、オリジナルのストラップを付属したスペシャルパッケージを発表してきた、グランドセイコーの阪急うめだ本店限定モデル。2024年末に登場したこちらの1本は、“阪急マルーン”と称される阪急電車をイメージしたカラーダイヤルを特徴とした最新作である。(関西の人々には今更説明の必要もないだろうが)阪急電車は関西地方を代表する鉄道会社のひとつであり、大阪・梅田を中心に神戸、大阪、京都の各都市を結ぶ歴史の古い私鉄だ。その始まりは1910年にまでさかのぼり、開業当初から紫がかった赤茶色、すなわちマルーンを車体の表面に使用していた。本作では関西において馴染み深いこのカラーをダイヤルに大胆に使用し、そこにGSロゴ、秒針インデックスのカラーでゴールドを挿すことで文字盤の美しさをいっそう際立たせている。

直径40mm、厚さ12.9mmのステンレススティール(SS)製のケースは、1967年に発売されたグランドセイコー初の自動巻き時計“62GS”のフォルムを現代的に再解釈したデザインになっている。グランドセイコーお得意のザラツ研磨によりラグの先端までエッジが立った多面的な造形を実現しており、光を受けることでメリハリのある美しい輝きを放つ。また、ベゼルレスなデザインのためダイヤルが広々と見える構造となっている点にも注目したい。実際に手に取ると、直径40mmという数字以上にダイヤルの存在を強く感じるはずだ。

ダイヤルを広く見せることができるベゼルレスの構造や、ザラツ研磨によるシャープな多面体構造に62GSの面影が宿る。

カットされたようなラグの先端が、シャープな印象を与える。

裏蓋のサファイアクリスタルには限定であることを示す“LIMITED EDITION”の文字と“獅子”のエンブレムがゴールドであしらわれている。
内部には自動巻きのCal.9S85を搭載。これは精度の要となるパーツを素材から見直し、2009年当時にグランドセイコーのラインナップでは約40年ぶりとなる自動巻き10振動ハイビートムーブメントとして発表されたものだ。製造はグランドセイコー スタジオ 雫石。3万6000振動/時で駆動して安定した精度を実現している半面、半導体製造に用いられる技術であるMEMS(メムス)によってミクロン単位で部品を再設計し、ガンギ車の前に“ガンギ中間車”を挟むことでハイビートの欠点である輪列にかかる負荷を分散させている。パワーリザーブも日常生活を送るうえで十分実用的な約55時間を確保。ケースバックはシースルーとなっていて、ムーブメントに施された精緻な仕上げやローターに彫られた“Grand Seiko”のロゴ、そしてクリスタルにあしらわれた“獅子”のエンブレムを楽しむことができる。堂々とした“LIMITED EDITION”も文字が印象的だ。


メンズウォッチにおいて一般的なサイズ、実用的なパワーリザーブ、安心の日常生活防水(10気圧)と、トータルでデイリーユースにも適したパッケージだ。価格は92万4000円(税込)で、40本限定での販売となっている。なお、本作はモデル名にもあるとおり阪急うめだ本店でのみの取り扱いとなる。

ファースト・インプレッション
この時計について執筆するにあたり阪急電車について色々と調べてみたのだが、探れば探るほど本作SBGH359と阪急電車との深い結びつきを実感することになった。同系色のダイヤルを持つモデルでいうと、“暮秋の美”をダイヤルで表現したエレガンスコレクションのSBGW287などが思い浮かぶ。しかし本作では、印象的なざらつきのある仕上げを施したり、その他のパターンをダイヤルに使用したりしているわけではない。上品な光沢のある、フラットなダイヤルを採用している。

阪急電車は数年ごとの車両の再塗装の際、不良箇所にそのまま上塗りするのではなく、塗料を一旦剥がしたうえでパテで平滑化したのちに下塗り、本塗りを重ねるという手間を行なっているのだという。下地の塗装から凹凸をなくすことがあの美しい光沢を生み出す秘訣であり、SBGH359のダイヤルはまさに塗装したての阪急電車の車体を思わせるものとなっている。

また、阪急マルーンのダイヤルはほかのレッドモデルと比べてややトーンが暗く、色味自体の主張は控えめだ。実際に時計を手に取って撮影してみると、ダイヤルのマルーンは広告画像ほど赤みは強くなく、より落ち着いて見えた。この日着ていたダークブラウンのカジュアルなジャケットやベージュのチノパンとの相性は抜群だったが、タイなどの小物で色を拾ってフォーマルなダークスーツに合わせるのも面白そうだ。エレガントなケースデザインもそれを後押ししてくれるし、マルーンカラーによって強調されたゴールドのGSロゴ、秒針は手首の上で確かな高級感を放つ。

阪急電車は沿線の人々の生活に根ざしながら、利用者に上質な毎日を送っていると感じてもらえるようなブランディングを行なっているという。ライフスタイルの幅広いシーンで活用できるルックスに加え、高級腕時計としての満足感も与えてくれるSBGH359もまた、腕時計としてそんなスピリットを継承、体現しているように思う。

総じて、本機は企画担当者の深い阪急愛が伝わってくるようなモデルだ。特にダイヤルの仕上げについては、日ごろから阪急電車を利用している人にこそ見て欲しい。僕が気づけなかった共通点や発見が、まだまだ潜んでいるかもしれない。なお、限定モデルは特別な存在感を持たせるために、独特の意匠や工夫が施されることが多い。しかし本作は前述のとおり、明確なコンセプトを持ちながらも(スペックも含めて)デイリーに楽しめるモデルとなっている。グランドセイコーの購入を検討しているが多様なラインナップを前に決めかねている…、という方にも強くおすすめしたい。

なお、阪急うめだ本店から阪急グランドビルを挟んで対面に位置する阪急メンズ大阪にて、2月15日(土)からGrand Seiko POP-UP STOREが開催される。今回紹介した阪急うめだ本店限定モデルのほかブランドの定番モデルが多数展示され、一部ではレアな限定モデルも並ぶ予定だ。白樺(SLGH005)をはじめとした、現在のグランドセイコーを象徴するエボリューション9 コレクションも豊富に揃う貴重な機会だ。ぜひ実際に手に取って、比較、検討して欲しい。詳細は以下のとおりだ。
【Grand Seiko POP-UP STORE】
■期間: 2025年2月15日(土)~ 2月25日(火)まで
■購入特典: グランドセイコーをご購入のお客様にオリジナルノベルティをプレゼント※個数に限りがあります
■場所: 阪急メンズ大阪 1階メインステージ
■問い合わせ先: 阪急うめだ本店6階 インターナショナルブティックス ウォッチギャラリー グランドセイコー 直通 TEL06-6313-8421

基本情報
ブランド: グランドセイコー(Grand Seiko)
モデル名: ヘリテージコレクション メカニカルハイビート36000 阪急うめだ本店限定モデル
型番: SBGH359

直径: 40mm
厚さ: 12.9mm
全長: 47mm
ケース素材: SS
文字盤色: マルーン
インデックス: アプライド
夜光: なし
防水性能: 10気圧(日常生活防水)
ストラップ/ブレスレット:SS製

ムーブメント情報
キャリバー: 9S85
機能: 時・分表示、センターセコンド、3時位置に日付表示
直径: 28.4mm
パワーリザーブ: 55時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 3万6000振動/時
石数: 37
追加情報:平均日差+5~-3秒※

ブランパンのハイエンドモデルが技術の粋を凝らしたタイムピースとして、

『イン・ザ・ロスト・ランズ(原題:In The Lost Lands、なお日本での公開は未定)』の予告編のなかで、このセリフとともに、ほんの一瞬、霧に包まれた幻想的な時計の姿が映る。

予告編に登場するキャッチコピーが語るのは、とてつもない魔力を持ち、人を狼男に変身させるアーティファクトを求めてロスト・ランドを旅する魔女の物語だ。火を噴く2丁の拳銃を手に、ドクロに膝まで埋まりながら立つデイヴ・バウティスタ。その背後にはミラ・ジョヴォヴィッチの姿...そんなポスター画像とあわせて見れば、本作がポール・W・S・アンダーソン(Paul W.S. Anderson)監督によるアドレナリン満載のアクション映画であることが期待される。アンダーソンは『エイリアンVSプレデター(原題:Alien vs. Predator)』や大ヒットした『バイオハザード(原題:Resident Evil)』シリーズなどで知られる、多作なアクション映画監督だ。だがきわめて複雑なブランパンのヴィルレが、ジョージ・R・R・マーティン(George R.R. Martin)の終末世界にどうして登場したのか? スーパーコピー時計のその意外性には驚かされる。

短い予告編を見れば、ブランパン ヴィルレ カルーセル レペティション ミニッツ クロノグラフ フライバックが魔法の護符として登場するという、意外で入念に選ばれたチョイスに驚かされるかもしれない。この時計がなぜ映画に採用されたのか、その理由をポール・W・S・アンダーソン監督と共同プロデューサーのデニス・ベラルディ(Dennis Beradi)に聞いた。

ブランパンの時計をキャスティングした理由について、アンダーソン監督はこう語る。「俳優を選ぶように、役にふさわしい時計を選んだんです。プロデューサーのジェレミー・ボルト(Jeremy Bolt)は筋金入りの時計愛好家で、時代を超越した魔法のような雰囲気のある時計の写真をこれでもかというほど送ってくれました。この映画はポストアポカリプスの世界が舞台ですが、かつての世界から残ったモノたちは、神秘的な価値を帯びて非常に貴重な存在になっています。人々がもう時計を身につけなくなり、大聖堂の鐘の音で時を知るという中世的な世界において、それでもそこにあるタイムピースなのです」

ポールはこう続ける。「ブランパンを見つけたとき、それが理にかなっていると思ったんです。世界最古の時計ブランドであり、アポカリプス後の世界で生き残った数少ないタイムピースのひとつですから。ブランパンは時の始まりに存在し、時代の終焉においてもなお時を告げている。そういう意味でも、この作品のテーマにぴったりだったんです」

映画やレッドカーペットでよく見かける時計とは違い、これは広告のためのプロダクトプレイスメント(広告手法のひとつ)ではなかった。「ブランパンは私たちを信頼してくれましたし、私たちがブランドとその精神をきちんと理解していることを認めてくれました。ですから、こちらの思いとおりに映画に登場させることができ、芸術的なビジョンが商業的な縛りに損なわれることはなかったんです。その点で、決まったルールは何もなく、私たちにとって理想的なパートナーシップでした」とポールは語る。
デジタル化の課題

7488万8000円(税込)というブランパン ヴィルレ カルーセル レペティション ミニッツ クロノグラフ フライバックは、マイクロエンジニアリングの粋を極めた傑作だ。登場シーンは多くないが、ポールはこの時計を“時計界のトム・クルーズ”と呼んでいる。専属の警備がついていたほどで、その存在感はまさにスター級だった。共同プロデューサーのデニス・ベラディによれば、このきわめて複雑な時計をデジタル化するには数々の困難があったという。

 「ブランパンの製造図面は機密扱いで、通常の設計図を使うことはできませんでした。そこでブランパンが、実物のカルーセル レペティションをスキャンさせてくれたんですが、通常のスキャナーにマクロ仕様の改良を加えて対応しました。解像度は通常の3倍、1画像あたり約5万ピクセルで、300枚以上を撮影。非常に繊細なテクスチャーを再現するために、ひたすら細心の注意を払いながら取り組みました。時計内部で光がどう反射し、動くのか。その表現には照明の研究も必要でありアニメーションにおいても、ポールが描く“空中で回転しながら動く時計”のイメージを忠実に再現するために尽力しました。このプロジェクトは、ただの映像制作ではなくまさにひとつの使命でした。私たちはこの時計をリスペクトし、誰にも“デジタルに見えた”と思われたくなかった。フォトリアルに見えることが絶対条件でした。そして、それは実現できたと思います。満足いく完成形に至るまでおよそ5カ月かかりました」

これがどれほどの手間だったかをお伝えしよう。ポール・W・S・アンダーソン監督は、ブランパンのCGIによるメインショットのひとつに、女優のミラ・ジョヴォヴィッチも登場させたかったと語っている。「予告編に、雨のなか時計がこちらに向かって転がり落ちてくるショットがありますよね。あれこそデニスが5カ月かけて制作したブランパンのデジタルモデルです。そのカットの制作も終盤になったころ、私は“背景にミラを入れよう”と思いついたんです。でも彼女の映像素材がなかったので、デニスがCGIでミラの姿を再現することになりました。それにかかったのはおよそ1週間。つまり映画スターは1週間、時計は5カ月ということですね」
ブランパン ヴィルレ カルーセル レペティション ミニッツ クロノグラフ フライバック

ブランパンコレクションのなかでも、ヴィルレのラインはとりわけ伝統的なリファレンスがそろっており、そのルーツは19世紀の懐中時計にまでさかのぼる。なかでもカルーセルRMCF(レペティション ミニッツ クロノグラフ フライバック)は、45mmのケースに語るべき魅力を多く詰め込んだ1本だ。ただし厚さ17.8mmとはいえ、デイヴ・バウティスタ(Dave Bautista)の筋骨隆々の手首に乗せたら、まるで華奢なドレスウォッチに見えてしまうかもしれない。もっとも、これは毎日のローテーションでつけるような時計ではない。だからこそ日々の装着感はさほど重要ではないのだ。なにしろ価格は約7500万円。この時計の持ち主であれば、おそらく左袖のカフだけ径を広げた仕立てのスーツを用意しているだろう。

技術面で見れば、このブランパンは同ブランドのなかでも製造難度の高いモデルのひとつであり、10年以上にわたってその最上級ラインに君臨してきた。私の知る限り、これほど複雑な機能を組み合わせたモデルをほかのブランドは製造しておらず、なかでもトゥールビヨンのように構成されたカルーセルはきわめて希少だ。カルーセルもトゥールビヨンと同様に重力の影響を打ち消すために発明されたが、トゥールビヨンがひとつの動力でケージと脱進機を動かすのに対し、カルーセルではそれぞれに別の動力源が使われている。6時位置で舞うこの“プリマ・バレリーナ”は、ブランパンの魅力のほんの一部にすぎない。カルーセルRMCFには、フライバッククロノグラフ用の心地よい楕円形プッシャー、愛嬌ある赤い先端のクロノ針、そして8時30分位置の控えめなスライダーで作動するミニッツリピーターが奏でる音の魔法までもが備わっているのだ。グラン・フー・エナメルの柔らかな光沢と、シャープなローマ数字が配された広いアウターリングに時間が表示され、センターのオープンワークから覗く精緻なメカニズムをクラシカルな様式美が包み込む。我々の多くにとって、45mmものレッドゴールドの塊は平均的な手首にはやや大振りに感じられるかもしれない。しかしこの時計が放つ圧巻の存在感にはそれだけの価値がある。ブランパンの時計師とフィニッシャーたちの手腕は、スケルトン仕様の裏蓋をとおしてさらに明らかになる。543個のパーツからなるCal.2358の厚みや立体構造を、そこからじっくりと感じ取ることができるだろう。ローターの下には段差を設けたブリッジが幾層にも組まれ、そのすべてに彫り込まれたサンレイパターンのギヨシェが、内部に潜む複雑さをいっそう際立たせている。

ブランパン ヴィルレ カルーセル レペティション ミニッツ クロノグラフ フライバックに宿る伝統的な職人技は、一見するとポストアポカリプスのアクション映画とは相容れないように見える。だが、その“お守り”のような存在感は物語のなかに自然と溶け込み、時計がもたらすより深い意味を際立たせている。この作品の前提にあるのは、ある種の“グレイルウォッチ”が我々の心をどれほど強く引きつけるか、そして幸運な数人にしか味わえない魔法のような体験が、そこに宿っているということ。何百時間にもおよぶ職人技の結晶に引かれる人もいれば、代々受け継がれた時計に宿る思いに心動かされる人もいるだろう。時計は、単に時を刻む以上の存在であり、深い感情を映し出す“タリスマン”なのだ。
 

オメガ スピードマスター “シルバー・スヌーピー・アワード” 50周年記念モデル

“グリーンジャケットを取りに行かなくちゃ”と、ローリー・マキロイ(Rory McIlroy)選手はマスターズのプレーオフ1ホール目でジャスティン・ローズ(Justin Rose)選手に勝利したあと、家族や友人たちと祝福を分かち合いながら語りました。
 スポーツカレンダーのなかで、マスターズ最終日ほど重要なものはありません。最終ラウンドをリードして迎え、その座を多くの実力者たちの追い上げにもかかわらず守り抜くには、並外れた胆力と覚悟が求められます。しかし、北アイルランド出身のローリー・マキロイ選手は、それを見事に成し遂げました。さらに彼には、キャリアグランドスラム達成というプレッシャーもかかっていました。本人も認めているように、年を重ねるごとにその達成は難しくなっているように思えたのです。それでも彼は、ついにその偉業に手をかけました。ゴルフの詳しい話題についてはほかのスポーツメディアにお任せするとして、ここでは注目すべき腕時計に焦点を当てていきます。

Photo: Getty Images
 ご存じない方のためにお伝えします。ローリー・マキロイ氏は筋金入りの時計好きです。HODINKEEでは、これまでに彼と何度か対談の機会がありました。最初は2020年の全米プロゴルフ選手権を前に、多岐にわたるテーマについて語ってもらったビデオインタビュー、そして後にはHODINKEE Radio第99回でのディープな対談です。日曜の夜の締めくくりにも、月曜朝の通勤のお供にも最適なコンテンツです。
 しかし、ローリー氏が私たちのレーダーに入ったのは、2020年よりずっと前のこと。当時の彼は長髪で、北アイルランドから現れたヨーロッパ版タイガー・ウッズ(Tiger Woods)とも言うべき神童でした。2011年当時、彼はオーデマ ピゲの愛好者だった。

Photo: Getty Images
 マキロイ選手は、この瞬間を人生のすべてをかけて待ち続けてきました。そんな日は訪れないのではないかと多くの人が思っていましたが、2025年のマスターズ・サンデーにとうとう訪れたのです。では、人生でもっとも多くシェアされるであろう1枚の写真、そして今後のマスターズ中継で幾度となく使われるであろう映像のなかで、彼はどんな時計を身につけていたのでしょうか。それは、オメガ スピードマスター “シルバー・スヌーピー・アワード” 50周年記念モデルです。グリーンジャケットとの相性も抜群だと言えます。2013年からオメガのブランドアンバサダーを務め、スピードマスターのスペシャルエディションをデザインした経験もあるマキロイ選手は、念願のトロフィーを掲げ、初めてグリーンジャケットに袖を通した瞬間、計り知れない安堵と喜びをあらわにしていました。
 ただ73ホール目を終えたあとに目を引いたのは、マキロイ選手の腕時計だけではありませんでした。長年手が届かなかったタイトルを決める最後のパットを沈めた直後、彼は歓喜のあまり妻のもとへ駆け寄りました。その妻もまた、この特別な瞬間にふさわしい時計を身につけていたのです。それはパテック フィリップの希少なローズゴールド製ノーチラス 7118/1200Rでした。

Photo: Getty Images
 マキロイ夫妻が今回の勝利を長く祝い続けることは間違いありません。そしてその祝宴は、トロフィーキャビネットも手首も、華やかに彩ることになるでしょう。

人気モデルの ロレックスの新たなブームを巻き起こしているオイスターパーペチュアル41mm Ref.124300。

人気モデルの ロレックスの新たなブームを巻き起こしているオイスターパーペチュアル41mm Ref.124300。

39mmから41mmに拡大されたオイスターパーペチュアル41も当初は7つのカラーが用意されていたのですが、2022年の新作発表のタイミングで地味な4色展開へと変更されたため、ディスコンとなったカラーは相場が急上昇しています。

 

オイパペ41(36も)は新世代キャリバー3230(クロノメーター)を搭載しておりますが、そもそもオイパペは ロレックスの入門機ですので、現在の国内定価は 723,800円とロレックスの中では安価なモデル。(国内定価は2022年9月に今年2回目の価格改定がありました)

本来エントリー機で枯渇するようなモデルではありませんが、カラフルポップな文字盤が世界的に大ヒットし、「オイパペマラソン」までスタートするほど人気モデルとなりましたが、文字盤のカラーによってかなりの格差が生じています。

 

こちらが1番人気のターコイズブルー(41mmは生産終了カラー)。

ノーマルのシルバーやブラック文字盤がアンダー100万円の頃から、ターコイズブルーは200万円を超えており、昨年から今年の2月にかけて400万円にも達するほどに上昇していました。

 

前回チェックしたのが2022年8月ですから約4ヶ月ぶりですが、相場が下がってきているタイミングでしたので、少しは買い求めやすくなってるのかな?。

 

こちらが前回8月のセカンドマーケット相場。

 

という事で、半分は記録用、半分は興味本位で現在の相場をチェックしてみましょう!

買えないエントリー機オイパペ41です。どうぞ。

オイスターパーペチュアル41 124300 シルバー

まずは1番人気の無いと言うと失礼ですが、ビンテージ調なゴールドインデックスが温かい印象のシルバー文字盤。

手に取るとシルバーカラーの良さが伝わると思います。

どのカラーも定価は同じ 723,800円。

 

はい、こちらは価格ドットコムから正規未使用品の最安掲載価格。

118万円。

4か月前と、セカンドマーケットの相場はほぼ同じですね。

 

グラフを見ると、前回のチェック時からググっと持ち直したように見えたけど、結局ダメだったみたいな流れになっていますね。

ただ相場が落ちているとはいえ、昨年末よりはまだまだ高い相場をキープしています。

 

オイスターパーペチュアル41 124300 ブライトブラック

ブラック(ブライトブラック)も相変わらず似た価格です。

トレンドの波は来ませんね。

 

シルバーと同じ動きですね。

 

オイスターパーペチュアル41 124300 ブライトブルー

少し差があり、ブライトブルーに続きます。

5月の並行新品最安掲載価格は148万円で8月が126万円。

 

上がって下がっての小さな波がある感じですが、全体的に下がっている他のモデルに比べると緩やかなオイパペ41。

 

オイスターパーペチュアル41 124300 グリーン

コーポレートカラーのグリーンは人気でしたが・・・

現在は168万円。

5月にチェックした時は228万円、8月が190万円。

徐々に徐々に他のカラーに近づいてきています。

とは言え定価の2倍以上はキープ。

アンディフィーテッドを象徴するカモフラパターンを気軽に楽しめるコラボモデルの新作情報です。

アンディフィーテッドを象徴するカモフラパターンを気軽に楽しめるコラボモデルの新作情報です。

スーパーコピー時計 激安スポーツウェアブランド、アンディフィーテッド(UNDEFEATED)のチームが2年ぶりにG-SHOCKとのコラボレーションを実現した。今回の限定モデルはコンセプトとして、ストラップを付け替える楽しみを掲げている。新作DWE-5600UDは、ブラックの樹脂製スクエアケースを採用し、上部にUNDEFEATEDのロゴ、下部にブランド名とCASIOのロゴを配し、グリーンのLCDディスプレイが鮮やかに映える。

標準装備されているのは、“UNDEFEATED”のブランドロゴをあしらったスケルトン調のブラック樹脂ストラップだ。しかしこのモデルには、アンディフィーテッドのカモフラージュパターンを施した2本の交換用ストラップが付属する。ひとつはブランドの定番であるタイガーカモ、もうひとつは透明感のあるサンドベージュ風のストームカモで、付属の工具を使えばクイックリリース式のバネ棒により簡単に交換が可能だ。

なおDWE-5600の基本機能はそのままで、ワールドタイム、カレンダー、クロノグラフ、アラームなどを搭載する。価格は3万3000円(税込)で、オンラインおよび店頭にて販売される予定である。

我々の考え
少々私情が入ってしまうのだが、私はこれまでアンディフィーテッドが手がけたG-SHOCKのほとんどを所有しており、同ブランドのCEOであるエリック・ペン・チェン(Eric Peng Cheng)氏とも親交がある。彼は極めて多くの時計を所有する、知識豊かで思慮深いコレクターとしての顔も持つ。カモフラージュ柄はアンディフィーテッドというブランドにとって重要なものであり、過去にはH.モーザーとのコラボレーションでもその要素を取り入れていた(ちなみに、私自身が持っているカモフラアイテムはもう飽和状態に達している)。ゆえに、今回の新作は私が欲しくなるすべての条件を満たしていると言えるのだ。なお本文では触れなかったが、ひとつおもしろいギミックがある。バックライトを点灯すると、アンディフィーテッドの“ファイブストライク”ロゴが浮かび上がるのだ。この隠し要素もまた、コラボレーションならではの魅力だ。価格は3万3000円(税込)。この新たなG-SHOCKとアンディフィーテッドのコラボモデルは、間違いなく“買い”の一本と言える。

基本情報
ブランド: G-SHOCK×アンディフィーテッド(Undefeated)
型番: DWE-5600UD

直径: 横48.9mm × 縦43.8mm
厚さ: 13.7 mm
ケース素材: カーボンブラック/バイオマスプラスチック
文字盤色: グリーンに輝くLED
夜光: ELバックライト
防水性能: 200m
ストラップ/ブレスレット: 交換可能な樹脂製ストラップ


ムーブメント情報
キャリバー: モジュール番号3229
機能: 時刻表示、デイト・カレンダー表示、ストップウォッチ、CDT/STWモード、アラーム
パワーリザーブ:  電池寿命2〜10年

価格 & 発売時期
価格: 3万3000円(税込)
発売時期: アンディフィーテッドチャプターストア(直営店)および公式サイトにて先行販売中。5月16(金)にG-SHOCKストアおよび公式サイトで予約開始、5月23日(金)より販売開始
限定: あり、個数は不明

ジラール・ペルゴとの3度目のコラボレーションで送り出した最新作がディープ ダイバーです。

「プールで本気で使えるダイバーズウォッチを作ってみたかった」──そう語るのは、ロンドンを拠点に活躍するカスタマイザー兼ウォッチデザイナーのジョージ・バンフォード氏。

2025年夏の到来を目前に、ジラール・ペルゴの“レガシー エディション”に新たに加わった本作は、1969年および1971年に登場したスーパーコンプレッサーケースの名作をベースに、現代的なアプローチとバンフォード氏ならではの遊び心を随所に取り入れた特別な一本に仕上がっています。

今回は来日していたバンフォード氏に、本作の開発に込めた思いや、オリジナルモデルへのリスペクト、そして細部に宿るこだわりについてお話を伺いました。

偶然見つかった“地下プール”が発想の原点に
本作の最大のコンセプトであり、最もユニークな特徴と言えるのが、「プールでこそ使うためのダイバーズウォッチ」という発想です。

 「私は、ジラール・ペルゴの本社に地下に使われていないプールが隠されているのを発見しました。それは、私物のヴィンテージの時計——ディープダイバー——を思い出させました」と語るバンフォード氏は、このエピソードをきっかけに、ダイバーズウォッチの“あるある”に真っ向から挑むアイデアを思いついたといいます。

ジラール・ペルゴの新作のディープ ダイバー。
 「多くの人が、ダイバーズウォッチを着けているのに、プールやシャワーでは外してしまう。でも、この時計はその真逆です。気兼ねなく使える“本当の道具”にしたかったんです。時計は毎日着用するものであり、金庫に保管しておくものではありません。これは私が着用するのが大好きな時計であり、時々愛着の跡がいくつか残ります──それこそが、この時計の魅力だと思っています」

歴史的名作Ref.9108を現代的に再構築

ジラール・ペルゴのディープ ダイバーは、1957年に初登場し、その後1979年までに計9つのモデルが発表されました。今回の復刻モデルは、1969年に登場した14角形ベゼルを備えたクッション型ケースのRef.9108のデザインを継承した、1971年版のモデルからインスピレーションを得ています。歴史あるシリーズのなかでも、とりわけ個性が際立つ一本を現代に蘇らせました。

 「このモデルは、私の中でずっと“やりたいことリスト”のトップにありました。アーカイブのなかでも、特にクールな一本だと思っています」とバンフォード氏は振り返ります。約3年もの歳月をかけて実現したディープ ダイバーの復刻プロジェクトは、ジラール・ペルゴの伝統と、バンフォード氏自身のデザイン哲学が絶えず対話を重ねる過程でもありました。

1971年製のヘリテージ・ディープ ダイバー Ref.9108。
当初、ジラール・ペルゴ側はこのモデルを“神聖な存在”として位置づけており、復刻には非常に慎重だったといいます。しかし、バンフォード氏は「この時計には再生する価値がある」と強く訴え、粘り強く説得。「実際にヴィンテージモデルを手に入れて、グレーに焼けた文字盤の風合いを楽しんでいたのですが、当時の広告を見つけた瞬間、衝撃を受けました。なんと、オリジナルは赤と黒の配色だったんです。すごくパンチが効いていました」。その驚きと発見こそが、復刻への原動力となったのだと語ります。

ネイビーとオレンジ、その“ちょうどいい大胆さ”

この日、バンフォード氏はネイビーのスーツに同色のストラップを装着したディープ ダイバーを身に着けていた。


オリジナルモデルの赤と黒の配色は印象的であった一方で、現代の感覚からするとやや重たく感じられ、バンフォード氏は「今の時代にはフィットしない」と判断したといいます。そこで導き出されたのが、今回採用されたネイビーとオレンジという鮮やかでモダンな配色です。

 「今日はスーツを着ていますが、この時計はTシャツにもよく合います。そうした“使い分け”ができるのが、このカラーリングの魅力です。まるで“ジキルとハイド”のような二面性があって、とても面白いんです」

そう語りながら、バンフォード氏は本作に付属する2本のストラップ──ネイビーブルーとオレンジ──を手に取って見せてくれました。一見するとダイヤルは非常に鮮やかで目を引きますが、ネイビーのストラップを装着すると全体が引き締まり、落ち着いた印象に。一方でオレンジのストラップを合わせると、オレンジの面積が増すことで一気に明るく、ポップで楽しげな雰囲気へと変化します。

「同じ時計でも、ストラップを変えるとまったく違って見えるんです。それって、とても楽しいことですよね」

オレンジのストラップをつけたディープ ダイバーをリネンシャツにあわせてみると一気にリゾートへ行きたくなる雰囲気になった。

チタンケースと現代的スペック
本作のケースには、軽量かつ高い耐久性を誇るグレード5チタンが採用されています。直径40.3×38mm、厚さ13.91mmというサイズ感は、クッション型のシルエットを活かしつつ、現代の手首にも心地よくフィットする設計となっています。

 「このサイズ感は本当に絶妙なんです。小さすぎず、大きすぎず。僕のように少し大きめの手首でも自然になじみますし、小さな手首でも浮かない。ユニセックスでも楽しめる、ちょうどいいスケールだと思っています」と、バンフォード氏。防水性能は200mが確保されています。

美しいサテン仕上げが組み合わされた立体的なケース。

グリッドがあしらわれたふたつのリューズ。
さらに、裏蓋にはブルーに着色されたサファイアクリスタルがあしらわれており、内部のムーブメントの一部を覗き見ることができます。このディテールは、オリジナルモデルにインスパイアされつつ、現代的な素材と美意識でアップデートされた要素です。

ケースバックには、オリジナルモデルにも描かれていた、ローマ神話の海の神・ネプチューンが持つ象徴的なトライデント(三叉槍)のモチーフが目に飛び込んできます。このデザインは、ブルーのメタライズ加工が施されたサファイアクリスタルの内側に描かれており、深い海を思わせる美しいブルーの奥に、ムーブメントがかすかに覗く構造となっています。

 「このブルーのケースバックは、僕にとって“遊び心の象徴”なんです。普通は見えない部分に色を入れるなんて、贅沢でしょう? でも、時計を外して机の上に置いたときに、それがふと視界に入るとニヤッとしてしまうんです。そういう楽しさって、大事だと思うんですよね」とバンフォード氏。その奥には、約46時間のパワーリザーブを持つ自社製の自動巻きCal.GP03300が搭載されています。

本作の詳細については、紹介記事「ジラール・ペルゴ×バンフォードによるディープ ダイバー、ヴィンテージテイストに回帰した意欲作(編集部撮り下ろし)」を併せてご覧ください。

隠されたサインとヴィンテージへの敬意
 「ジラール・ペルゴは、基本的にダイヤルにコラボレーション相手の名前を入れることはしません。でも今回は、どうしても“BAMFORD”という名前を入れたかったんです」と、バンフォード氏は語り、本作ディープ ダイバーへの強い思い入れを垣間見せてくれました。

ダイヤルの6時位置には、うっすらと透明な文字で「BAMFORD」のロゴがあしらわれています。光の当たる角度によってその存在が浮かび上がったり、ふとした瞬間に隠れたりするように設計されています。「わざと目立たせなかったんです。これはある意味、自分の“エゴ”の表れでもあるけれど、あくまで控えめにしておきたかった。サインは入れたいけれど、主張が強すぎるのは違う。そうしたさじ加減が大切だと思っています」。

さらに注目すべきは、ジラール・ペルゴのヴィンテージロゴを復刻して採用している点です。ブランドによっては、復刻モデルで現行ロゴが使われることもありますが、バンフォード氏は、「このモデルに関しては、“古き良きもの”を本気でリスペクトしたかったんです」と語りました。


飾って、使い倒して

バンフォード氏がこだわったのは、時計本体だけではありません。本作では、パッケージにも深い思い入れが込められています。「時計って、箱を開けた瞬間からすでに体験が始まっていると思うんです。だからこそ、パッケージでも“ドキドキ”させたかったんです」

そう語る彼が描いたスケッチをもとにスタートしたデザインは、ジラール・ペルゴのチームによってさらに洗練され、まるでアートピースのような仕上がりへと昇華されました。パッケージの天面にはブルーの半透明ガラスがあしらわれ、そのガラス越しにはプールサイドがデザインされています。僕はこのボックスを見て、かつて旅行で訪れた金沢21世紀美術館に展示されているレアンドロ・エルリッヒの作品『スイミング・プール』を真っ先に思い出しました。

複数の時計を所有する愛好家やコレクターにとって、化粧箱はときに収納場所を圧迫する、悩ましい存在でもあります。そうしたなかで、本作のパッケージは、単なる保管用の箱という役割を超え、棚に飾っておきたくなるような美しい佇まいを備えたデザインに仕上がっています。

「箱だけでも残したくなるような、そんなものにしたかったんです」とバンフォード氏は語り、パッケージそのものにも“所有する喜び”を込めたことを明かしてくれました。

飾れるパッケージングのディープ ダイバーですが、本作の本質はあくまで“使うこと”にあります。「ヴィンテージウォッチって、確かに魅力的だけど、どうしても扱いに気を遣ってしまう。だけどこのディープ ダイバーは、その“気遣い”から解放してくれる存在なんです」とバンフォード氏は、本作に込めた“使うための時計”という明確なコンセプトを強調します。

レトロな意匠をまといながらも、内部は現代的なスペックと耐久性を備えており、プールやシャワーはもちろん、旅先や日常の中でも気軽に楽しむことができます。「この時計を、空港やホテル、ビーチなどで誰かが着けているのを見かけたら、それだけで本当に幸せです。時計を通じて誰かの日常とつながれるというのは、つくり手として何よりの喜びです」


ディープ ダイバー Ref.39500-21-3266-6CX: 縦40.3mm、横38mm、厚み13.91mmのチタン製ケース。自動巻きCal.GP03300-2339、約46時間パワーリザーブ。213万4000円(税込)

タグ・ホイヤー WBP1180.BF0000 アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ クォーツ チタン 40mmが新登場。

第4回LVMHウォッチウィークが1/10よりシンガポールで開催され、ゼニス・ウブロ・ブルガリ・タグ・ホイヤーの4ブランドが新年早々に新作発表を行います。

タグ・ホイヤーの3作目は12角形の回転ベゼルでお馴染みのアクアレーサーです。

アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ クォーツ WBP1180.BF0000 はチタン製 40mm、国内定価は368,500円となっております。

 

チタンケースでソーラークォーツで200m防水のダイバーズウォッチなら国内ブランドの方が断然強くてお買い得。どちらもメーカー小売希望価格で10万円以下。

スイスブランドも最近ソーラームーブメントを採用しだしていますが技術もコスパもまだまだ。

タグホイヤー好き、アクアレーサー好きでないとオススメしづらいですね。

 

WBP1180.BF0000

タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ
クォーツ ウォッチ – 直径40 mm
WBP1180.BF0000
¥ 368,500
ソーラーグラフ テクノロジー、ソーラー駆動型ムーブメントを取り入れた、ケース径40mmのタグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ。軽量でスリムなデザインと頑丈なグレード2チタンで、どんな状況でも最大限の堅牢性と汎用性を発揮します。スポーツと自然を愛するすべての人のためのウォッチです。

 

ケースサイズ 40 mm
防水性 200 m
素材 チタン サンドブラスト加工
ベゼル 回転式ベゼル チタン
リューズ ねじ込み式 スティール製
ケースバック サファイア – チタングレード2

ストラップ素材 チタン
仕上げ サンドブラスト加工
バックル フォールディングバックル プッシュボタン – サンドブラスト加工 チタングレード2仕上げ

ダイヤル サンレイ加工のサテン仕上げ
カラー ブラック

キャリバー TH50-00
ムーブメント クォーツ ウォッチ
機能 時, 分, 秒, 日付

 

アウトドアのためのウォッチ
ブラックのサンレイ加工サテン仕上げのダイヤルに控えめに添えられたアイスブルーは、北極圏の夜を照らすオーロラを思わせる、アイコニックなカラー。ウォッチの素材である、耐圧性に優れたサンドブラスト仕上げのグレード2チタンを際立たせます。

 

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太陽が駆動するウォッチ
無限のエネルギー源である太陽、人工の光、あらゆる光を原動力とするソーラーグラフ キャリバー。日中も夜間も途切れることなく比類のないパフォーマンスを提供します。

 

超軽量チタン
高い圧力にも耐え得る、サンドブラスト仕上げを施した3列構造のグレード2チタン製ブレスレットには、快適な着け心地に調整可能なエクステンションリンクをもつフォールディングバックルが付いて、タイムレスなスタイルと信頼性を誇ります。

 

トラベルポーチ
タグ・ホイヤー公式サイトでお求め頂くと、トラベルポーチを同梱した公式オンラインブティック限定パッケージでウォッチをお届けいたします。

まとめ

いかがでしょうか?

「【2025年新作】タグ・ホイヤー WBP1180.BF0000 アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ クォーツ チタン 40mm ¥368,500-」でした。

ソーラークォーツで格好良い系を作るなら2針の方が良いな~と思います。

動いてるかどうかの確認がしづらいけれども、カチカチ秒針が気にならなければ非常に便利ですもの。

ロイヤルオークとかアクアノートのソーラークォーツが100万円なら皆買うよね?(笑)

機械式時計にこだわりが無ければソーラーは本当に便利ですし、1本あっても損しないと思いますが、私にはG-SHOCKのタフソーラーがあればそれでオールOK。

気になった方はオンラインショップで予約販売が開始しています(配送は2月だとか)。

是非。

それではまた!

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