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ゼニス スター:10年の時を経て再評価されるべき「隠れた名機」

ゼニス スター:10年の時を経て再評価されるべき「隠れた名機」
公開日:2026年07月15日
1865年の創業以来、女性用時計の歴史において重要な役割を果たしてきたゼニス(ZENITH)。エナメル懐中時計からジュエリーウォッチまで、その歴史は女性顧客の支持と共にありました。しかし、ここ数年、ブランドの焦点は主力コレクションに集中し、かつて存在した女性専用ライン「スター(STAR)」は、過去10年間新作が発表されない「忘れられたシリーズ」となっていました。
本記事では、現在のヴィンテージ・レトロブームに最も合致するとも言える、この「スター」シリーズ、特にスター フェーズ(STAR PHASE)モデル(型番:22.1925.692/01.C725)に焦点を当て、その隠れた魅力と再評価されるべき価値を多角的に解説します。
1. 唯一無二の「枕型ケース」が放つレトロモダン
スター シリーズの最大の特徴は、その37mm×37mmの枕型(クッション型)ケースです。一見クラシックでありながら、どこか現代的なこの形状は、当時のゼニスが持っていた「遊び心」と「革新性」を体現しています。
レトロな意匠と現代的サイズ感: 37mmというサイズは、当時の女性用としてはやや大きめですが、現代のユニセックスなトレンドや、手首の細い男性が着用しても違和感のない絶妙なバランスです。
18Kローズゴールドの輝き: ケースの4つの角には、VVSクラスのブリリアントカットダイヤモンドがセッティングされています。主張しすぎない華やかさが、ドレスアップした際の手元を優雅に彩ります。
円と四角の調和: 角ばったケースの中に、丸みを帯びた文字盤が配置されることで生まれる視覚的なコントラスト。これにより、単なる丸時計や角時計にはない奥行きと表情が生まれています。
2. 大胆な文字盤デザイン:視認性と装飾性の融合
スター フェーズの文字盤は、「機能美」と「装飾美」が見事に同居しています。特に、深藍色のローマ数字インデックスの使い方が秀逸です。
大胆なローマ数字: 文字盤の中心から放射状に広がる大きなローマ数字は、あえて外周まで届かせず、中央の凹んだ同心円状のエリアに「隠す」ようなデザイン。これにより、平面的になりがちな文字盤に立体感とレイヤー構造が生まれます。
ローズゴールド針との対比: シルバーホワイトの文字盤に配置されたローズゴールドの柳葉針は、ケースの素材感と完璧にリンク。深藍色のインデックスとのコントラストも鮮やかで、高い視認性を確保しています。
ムーンフェーズの詩情: 6時位置にはムーンフェーズ表示、9時位置にはスモールセコンドが配置されています。これらサブダイヤルもまた、ローマ数字の一部を絶妙に隠すように配置され、全体としてパズルのような整合性を持っています。
3. エリート 692:薄さと美しさを両立する心臓部
このモデルの裏側には、ゼニスが10年前に誇った傑作ムーブメント、エリート 692(Elite 692)が搭載されています。薄型ムーブメントの傑作として知られるこのキャリバーは、枕型ケースの着用感に大きく貢献しています。
表格
項目 仕様
ムーブメント Cal.Elite 692(自動巻き)
パワーリザーブ 約50時間
振動数 28,800振動/時
ケース厚 約10mm台(推定)
機能 ムーンフェーズ、スモールセコンド、停秒機能
参考価格 ¥161,000(発表当時の定価)
わずか3.97mmの薄さ: ムーンフェーズやスモールセコンドを搭載しながら、厚さ約4mmという薄さを維持。これにより、ケース全体も肉厚になりすぎず、カフスの中への収まりが極めて良好です。
透かし彫りローター: 裏スケルトンバックから見える自動巻きローターには、ゼニスの象徴である星のマークが透かし彫りにされています。ジュネーブストライプやパール模様など、細部まで抜かりない装飾が施されています。
実用的なスペック: 50時間のパワーリザーブと停秒機能(時刻合わせの際に秒針が止まる機能)を備え、実用性も十分に確保されています。
4. なぜ今「スター」シリーズに注目すべきか
「今」のトレンドを先取りしていたデザイン: 現在、時計市場では角型や枕型、レトロなデザインが再評価されています。スター シリーズは10年以上前にこのトレンドを体現しており、現行モデルとして再登場すれば、間違いなく市場を席巻するポテンシャルを秘めています。
ジェンダーレスな着用感: 「女性用」として作られましたが、37mmというサイズと洗練されたデザインは、手首の細い男性や、ユニセックスなスタイルを楽しむ方にとって「隠れた名機」となり得ます。
希少性と独自性: 主力のデファイやパイロットとは一線を画す、ゼニスの「ドレス&エレガンス」の側面を最も色濃く反映したモデル。人とかぶらない一本を探している方にとって、最適な選択肢です。
5. まとめ:再評価されるべき「眠れる獅子」
ゼニス スター フェーズは、ブランドの歴史の中で一時的に影に隠れてしまったものの、その輝きは全く色褪せていない「隠れた名機」です。
枕型ケースという個性的な形状、大胆でありながら美しい文字盤デザイン、そして薄型でありながら高機能なエリートムーブメント。これらが調和したこのモデルは、今の時代だからこそ再評価されるべき価値を持っています。
もしゼニスが今後、このシリーズを現代的な解釈でリバイバルさせることがあれば、それは時計ファンにとって大きなニュースとなるでしょう。それまで、中古市場や在庫品でこの「レトロモダンな美」に出会えた方は、ぜひその魅力を堪能してみてください。

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