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スピニカー「テセイ」の最新作を着用レビュー

スピニカーのハイエンドシリーズに位置付けられる「テセイ」の限定モデルである「テセイ フォージド カーボン オートマチック」をインプレッションする。トピックスは、その名の通り、フォージドカーボンをベゼルインサートと文字盤に採用している点と、蓄光塗料が時計全体に施されている点で、フォージドカーボン特有のテクスチャーを「澄み渡った冬の高原に見られるようなフロスト(霜)」に見立ててデザインコンセプトとしている。本作の奇抜なデザインと手堅い仕上がりについて詳しく見てゆこう。

スピニカー「テセイ フォージド カーボン オートマチック」Ref.SP-5143-03
自動巻き(Cal.NH35)。24石。2万1600振動/時。パワーリザーブ約41時間。SSケース(直径43mm、厚さ16.5mm)。300m防水。世界限定200本。9万3500円(税込み)。

フォージドカーボンを採用したスピニカーのハイエンドシリーズ「テセイ」
リシャールミル スーパーコピー今回インプレッションするのは、スピニカーのハイエンドシリーズに位置付けられる「テセイ」の限定モデルである「テセイ フォージド カーボン オートマチック」だ。スピニカーはイタリア発のブランドで、ヨットやフリーダイビングなどのマリンスポーツをテーマとしたスポーツウォッチをラインナップに並べる点が特徴だ。2019年に日本上陸を果たしている。

いずれのモデルもトラディショナルなダイバーズウォッチのデザインに根差しながら、1970年代テイストを取り入れた「デュマ」、モダンな「ハス」、コンプレッサーケースへのオマージュである「ブラッドナー」、筆者が以前インプレッションした550m防水と大型かつドーム型風防がアイコンの「ピカール」等の、ひとひねりのあるモデルの他、『クロノス日本版』編集部の大橋洋介が自身で購入したネッシーをテーマとするモデルといった、ポップでユーモラスなモデルもそろっている。

本作のトピックスは、フォージドカーボンを採用している点と、蓄光塗料が時計全体に施されている点である。そして、デザインコンセプトは「澄み渡った冬の高原に見られるようなフロスト(霜)」だ。一見、関連性のなさそうなそれぞれのポイントについて紹介してゆこう。

フォージドカーボンの歴史と特徴
“鍛造されたカーボン”を意味するフォージドカーボンは、炭素繊維と樹脂を混合して、高温高圧でプレスしながら成型して作られるものである。時計業界では、2007年にオーデマ ピゲが「ロイヤル オーク オフショア」シリーズに用いたのが初期とされており、これは他業界を見回してもかなり早い。というのも、カーボン素材を積極的に採用するランボルギーニであっても、「フォージドコンポジット」の名でフォージドカーボン製モノコックシェルを「アヴェンタドール LP700-4」に採用したのが2011年であるからだ。

フォージドカーボンよりも古くから用いられており、“カーボン”と聞いて一般的にイメージされる“繊維の織目が見える素材”は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)と呼ばれるものである。見た目の通り、長い炭素繊維を並べてシート状に織った上で、樹脂によって固めて成型される。この製造工程の都合により、厚い部品を製作するにはシートを積層する必要があり、これがデザインの制約となることがある。

これに対してフォージドカーボンは、短く砕いたカーボンファイバーに樹脂を含侵させて成型するため、厚さのある複雑な形状の部品を製造しやすいことが特徴だ。また、機械加工性に優れる点もメリットである。カーボンファイバーを砕いてランダムに配置する製造方法により、金属結晶や鉱石のようなマーブルパターンが生まれることが外観上の特徴で、これがCFRPと大きく異なるものとして注目されている。

テセイに採用されたフォージドカーボン
スピニカーは、フォージドカーボン特有のマーブルパターンの魅力に着目し、それを際立たせるようにテセイ フォージド カーボン オートマチックへ採用している。フォージドカーボンが用いられているのは、ベゼルインサートと、文字盤およびインデックスを配したリング部品である。

ベゼルインサート部には、蓄光塗料を含むホワイトの樹脂を混ぜ込んでおり、マーブルパターンを強調した仕上がりとなっている。また、暗所では発光して“ゆらぎ”のような模様が浮き出る様が見て取れる。

陽射しの下でのベゼルインサートと文字盤のテクスチャー。室内灯の下では文字盤は平坦に見えるが、陽射しの下ではカーボンの断片が立体的に浮かび上がる。これは本作の大きな魅力のひとつだ。
文字盤部はカーボンらしいブラックの色調がベースとなっており、室内灯の環境ではわずかにカーボンのテクスチャーが見て取れる仕上がりである。印象が変わるのが晴れた日に屋外に出た時で、平坦に見えていた文字盤表面に、カーボンの断片が立体的に重なっている様が浮かび上がっていた。そして、ここにも蓄光塗料が混ぜ込まれており、塗料が発光するとカーボンのテクスチャーが際立つ仕上がりとなっている。

これらのカーボンの断片と発光する蓄光塗料の様を、本作では「澄み渡った冬の高原に見られるようなフロスト(霜)」に見立て、デザインコンセプトとしている。

蓄光塗料をストラップにも採用
このようなデザインコンセプトを反映し、ストック状態で組み合わされるホワイトのラバーストラップにも蓄光塗料が混ぜ込まれている。ストラップにも蓄光を施す手法は、ロジェ・デュブイが採用したことがあると記憶するが、採用事例が少ないのは間違いない。

面白いと感じたのが蓄光の混ぜ込み方で、均一ではなくて濃淡をつけることでフロストのようなきらめきを生み出している。単純な濃淡なのか、蓄光塗料の粒が埋まっている深さの差なのか分からなかったが、明るく発光する部分と、それよりも控えめに発光する部分で奥行きを感じ取れ、立体感につながっていた。

うまく写真に収められなかったため公式写真を借用。光り方はもう少しおとなしいものの、ラバーストラップにははっきりと濃淡を確認できた。5月初旬の陽射しでは、文字盤はここまではっきりとせず、ぼんやりとした発光に留まっていた。
そしてさらに特徴的であるのが、付属する交換用のナイロンストラップも全面が蓄光仕様となっている点である。全面が蓄光仕様のナイロンストラップというのは記憶にない(蓄光のラインが施されたものは見たことがある)し、標準のストラップと付属のストラップの両方が蓄光仕様というのは世界初ではないか? と筆者は予想するが、それを確認する術はなさそうだ。

特徴となる発光の様子は、意外にもジェントル
筆者は、本作を受け取って何気なくテーブルに置き、室内の蛍光灯の灯りの下にしばらく放置した後に室内の灯りを消した時、驚いた。暗闇に発光したストラップが明るく浮かび上がっていたのだ。それぐらいにストラップの発光ははっきりとしていて分かりやすい。ベゼルインサートに刻まれた分スケールの発光も明確で、視認性を確保してくれる。このスケールの彫り込みはキレがあって見栄えも良かった。フォージドカーボンの加工性の良さが反映されているだろう。

一方、室内灯レベルの照度での蓄光では、文字盤部はカーボンの断片を浮かび上がらせながらぼんやりと発光する程度と控えめである。文字盤部が発光することで、視認性を助けるという意見と、インデックスや針とのコントラストが低下するという意見が上がると予想されるが、筆者は本作に対しては視認性を助けてくれると感じた。希望を述べれば、針とインデックスは、もう少し蓄光性能を高めてくれた方がうれしいところだ。

インプレッションを行ったのが5月初旬であり、これから強くなる陽射しにさらされた時にどうなるかは未知数である。ただし、しばらく使ってみた感想から、視認性が極端に低下するような本作特有の困りごとは生じないのではないか? と予想する。例外としては、快晴の夏場に本作を着用して映画館に入った際には、スマートフォンをオフするのと同時に本作をバッグに入れた方が良いかもしれない。

視認性を高めるテセイ独自の文字盤デザイン
文字盤デザインに再度注目してみる。インデックスの高さがあり、時針はインデックスの天面よりも低いところを周回している。そして、分針はインデックス天面の上ぎりぎりを周回する構造となっている。これらにより、時針は文字盤に近い低い位置となり、しかもインデックスと対向することで視認性を高めており、分針はインデックスと高さが近くなって、こちらも視認性を高めて読み取り誤差を小さく抑えている。

文字盤側から順に、時針、インデックス天面、分針と並び、時針はインデックスと対向することで視認性が良く、分針とインデックスが接近していることでこちらも視認性に優れる。シンプルですっきりとしたデザインと、マットな質感の文字盤も相まって、視認性は高評価だ。
当初、他の時計とは見え方が異なるという何かしらの違和感を覚えつつ、時間の読み取りやすさを感じていた。他の時計と見比べる中で、その理由がこのインデックスと針の高低差にあると気が付いた。ダイバーズウォッチを得意とする他社のデザインを改めて見直すと、インデックスと針を近づける取り組みは見られるものの、近年のモデルで本作と全く同じものは見当たらず、これはスピニカーとテセイのオリジナリティーと評価して良いだろう。

ストラップの仕上がりの良さによって着用感は合格点
ケース径は43mm、時計仕上がり厚さは16.5mmである。ミドルケースを薄手に仕立てて、ややクラシカルな印象のあるシルエットとしているためか、数値よりも薄く見える。装着してみると、ラバーストラップは柔軟でフィット感が良く、サラッとした肌触りで快適だ。ストラップの裏側には波形の凹凸が設けられており、これがグリップするのか、それなりに大きな時計本体をしっかりと保持してくれるように感じた。ラバーストラップ採用による軽量化も着用感の向上に寄与していそうだ。一方で、ミドルケースが薄くてケースバックの飛び出しが大きく、ラグの下方向への曲げも少ないため、ラグ部にやや浮きが生じた。

周長約18cmの筆者のリストショット。スポーティーでカジュアルなファッションならば相性は問題なし。そこで厚手のオックスフォードシャツと合わせてみた。シンプルで爽やかな印象の本作とのマッチングはなかなか良いと感じた。ただし、裾との干渉はあるので、上手く付き合う必要がある。


以上を総合して、着用感は合格点だが優良とは言えないレベルであり、手首の細い方には試着を強く推奨すると評価したい。ナイロンストラップに交換することで、フィット感は向上するものの腰高になる傾向もあるため、手に入れたオーナーは色々と試してみると面白いだろう。

手堅い仕立てと基本性能
ケースサイドの面、および面の境界の稜線は整っており、見栄えが良い。回転ベゼルの遊びは少なく、回すとカチカチと明確なクリック感とともに回転する。ベゼルエッジの刻みは肌触りが柔らかくて優しさがあり、筆者の好みであった。また、本作は300mの高い防水性能を備えるほか、9時位置にはヘリウムエスケープバルブを備えて、飽和潜水に対応している。

搭載する自動巻きムーブメントはセイコー製のCal.NH35であり、その信頼性の高さには定評がある。パワーリザーブは約41時間と、現代基準では長いとは言えないが必要十分だと感じたし、巻き上げ効率が高いのか、思ったよりも長時間にわたって稼働を続けてくれた。

本作のオリジナリティーと満足度のバランス
本作は9万3500円(税込み)で、世界限定200本となる。フォージドカーボンを採用していること、奇抜と言ってよい蓄光塗料を全面採用したデザイン、手堅い仕立てを考えると、この価格は魅力的であると感じた。そう感じた理由には、パッケージングが魅力的である点も含まれる。本作は防水性と耐衝撃性の高そうなハードケースに収められてオーナーの手元に届き、このケースの質感が高くて、長く活用できそうであったのだ。

付属する専用ハードケース。このケースの質感が高くて高評価だった。前述のナイロンストラップの他には、ストラップ交換用工具が付属するが、品質の高い(できればベルジョンの)工具を用意することを強く推奨する。


筆者は、先日のピカールのインプレッションで、「(スピニカーは)こういうモデルがひとつぐらいあっても良いじゃないか、と楽しみながら、(中略)完成させたのではなかろうか」と述べた。本作にもそれは当てはまり、フォージドカーボンと蓄光塗料の組み合わせと、“フロスト”を結び付け、商品コンセプトにうまく落とし込んでいるし、実用的で手頃な価格のツールウォッチという軸を外していない点が魅力であった。スピニカーの魅力は、このバランス感覚と実直な物作りであると筆者は確信したのであった。

タグ・ホイヤーは、技術革新と正確な計時を組み合わせることを追求し続けてきたスイスの高級時計ブランドだ。

タグ・ホイヤーにはどんな種類のコレクションがあるの? カレラやモナコを紹介!


レーシングスピリットにあふれるモデルからモダンなデザインのモデルまで、幅広いコレクションを展開しているタグ・ホイヤー。どの1本にするべきか、悩んでしまうこともあるだろう。そこで今回は、タグ・ホイヤーが展開する珠玉のコレクションを一挙に紹介する。

タグ・ホイヤースーパーコピー時計ってどんな時計ブランド?

タグ・ホイヤーは、技術革新と正確な計時を組み合わせることを追求し続けてきたスイスの高級時計ブランドだ。エドワード・ホイヤーによって創業された1860年以来、この「技術革新」は、ブランドの核として息づいている。

 タグ・ホイヤーを語るうえで欠かせないのが、モータースポーツとクロノグラフの世界だ。1887年に特許を取得した「振動ピニオン」や1916年の「マイクロノグラフ」をはじめ、計時技術で頭角を現した同社は、その後モーターレースから着想を得たコレクションを次々に発表。「スピードの象徴」として認知されるようになった。なお、現在でもオラクル・レッドブル・レーシングやポルシェなどのコラボレーションに代表されるように、モーターレースと密接な関わりを有している。

 なお、この技術革新はクロノグラフウォッチにとどまらない。近年ではソーラーウォッチやスマートウォッチといった分野でも積極的に進化を遂げている。

 デザインの自由度も高く、カジュアルからドレッシーな場面まで幅広いスタイルに対応する懐の深さもタグ・ホイヤーの強みだ。比較的手に届きやすい価格帯ながら、優れた品質とブランド力を備え、価格以上の満足感をもたらすタイムピースとして、初めての機械式時計に選ばれることも多い。

 腕時計に求められる精度・信頼性・デザインをバランスよくまとめ上げたタグ・ホイヤーは、スタイルやシーンを選ばず、着ける人の個性に自然となじむブランドといえる。

 


タグ・ホイヤーが展開するコレクションの種類
 タグ・ホイヤーに興味はあるけれど、たくさん種類があって、どれを選んで良いか分からないと思ってはいないだろうか? モータースポーツやダイビングなどテーマごとに個性が分かれているが、初めての人には判断が難しいかもしれない。

 ここでは、タグ・ホイヤーの主要コレクションをひとつずつ解説する。モデルごとの特徴を知れば、自分に合った1本が自然と見えてくるはずだ。購入前の参考として活用してほしい。

「タグ・ホイヤー カレラ」
 


 

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref.CBS2212.BA0048
2025年に発表された、「タグ・ホイヤー カレラ」の最新作。1960年代の同コレクションに見られた、 “ビーズオブライス” ブレスレットを備えていることが特徴だ。自動巻き(Cal.TH20-00)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39mm、厚さ13.9mm)。100m防水。103万4000円(税込み)。
「タグ・ホイヤー カレラ」は、同社の中核を成すコレクションだ。1963年、当時同社のCEOだったジャック・ホイヤーが、カーレース「カレラ・バナメリカーナ・メヒコ」からインスピレーションを得て生み出した腕時計から歴史をスタートさせる。なお、このカーレースは総走行距離3000km以上に及ぶもので、アップダウンも激しく、過酷なカーレースとして知られている。

 そんなカレラは、モーターレースに求められる機能性と視認性を追求していることが特徴だ。とりわけ優れた視認性を持ったダイアルデザインは、今なおカレラの特徴として継承されている。ドライバーがレース中に一瞬で情報を読み取れるよう設計された、カレラならではの機能美だ。

 現行コレクションは、豊富なバリエーションがそろっていることも、大きな魅力だ。1960年代の“グラスボックス”風防を再解釈したレトロなクロノグラフウォッチからスポーティーなクロノグラフウォッチ、あるいはベーシックな3針もでる など、多彩に展開されているのだ。素材使いも豊富で、定番のステンレススティールのみならず、18Kゴールドやダイヤモンドをあしらった、ラグジュアリーなバリエーションも登場している。

 タグ・ホイヤー カレラは、ブランドのレーシングDNAを体現しながら時計としての完成度を年々高めてきたシリーズである。一方で100m防水に代表される、日常使いに適したスペックも有しているため、毎日を共に過ごせる相棒となってくれるに違いない。

「タグ・ホイヤー アクアレーサー」
 


 

タグ・ホイヤー「アクアレーサー プロフェッショナル300」Ref.WBP5110.BA0013
波を思わせるパターンがあしらわれたダイアルが特徴的な、直径42mmケースのモデル。自動巻き(Cal.TH31-00)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径42mm、厚さ12mm)。300m防水。58万3000円(税込み)。
「タグ・ホイヤー アクアレーサー」は、ダイバーズウォッチを出自とするコレクションだ。この名前がタグ・ホイヤー史に登場したのは2004年。「2000 アクアレーサー(翌年「アクアレーサー」にコレクション名が変更)」である。カレラやモナコと比べると歴史が新しいと思うかもしれないが、タグ・ホイヤーは1978年に同社初のダイバーズウォッチである「ダイビングウォッチ」Ref.844を皮切りに、「ホイヤー 1000m ダイバー」や「タグ・ホイヤー スーパー プロフェッショナル 1000M」などを手掛けてきており、防水性や堅牢性といった、ダイバーズウォッチに求められる機能性については、長年の実績があると言える。

 現行のアクアレーサーは、ダイビング向けとして300m防水を備える「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル 300」、アウトドア向けにポジショニングされる「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル 200」、そして「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル1000 スーパーダイバー」に大きく分けられる。

 特徴的なのが、12角形の逆回転防止ベゼル。グリップ性を高めながら、直線的でシャープな印象を与えるこのベゼルは、タフでありながらどこか知的な雰囲気を醸し出す。ダイアルには波模様やサンレイ仕上げが施されたモデルなど豊富で、見る角度によって表情が変わるのもアクアレーサーの魅力だ。インデックスや針にはスーパールミノバ®︎がしっかりと塗布されており、暗所でも視認性を確保している。

 自動巻きムーブメントを搭載した機械式モデルから、クォーツ、あるいはソーラーウォッチのモデルが用意されており、予算や使用シーンに合わせた柔軟な選択が可能だ。機能だけでなく、サイズ展開やカラーバリエーションも豊富で、ユニセックスに楽しめる点も強みとなっている。

「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー フォーミュラ1 ソーラーグラフ」Ref.WBY1111.BA0042
2025年に発表された、コレクションで初めてソーラーグラフムーブメントのCal.TH50-00を搭載したモデル。ソーラークォーツ(cal.TH50-00)。フル充電時約10カ月稼働。SSケース(直径38mm、厚さ9.9mm)。100m防水。28万6000円(税込み)。
「タグ・ホイヤー フォーミュラ1」は、タグ・ホイヤーのレーシングスピリットを最もカジュアルに楽しめるシリーズだ。このコレクションは、1985年に同社がマクラーレン レーシングチームのスポンサーとなったことをきっかけに誕生した。F1で実績を残してきたこのチームのドライバーらが品質テストに協力したことで、翌1986年に「フォーミュラ1」としてコレクションが生み出されたのだ。

 フォーミュラ1最大の特徴は、スポーティーでエネルギッシュなデザインにある。大型のベゼル、視認性に優れた力強い針やインデックスなど、動きのあるフォルムが際立ち、装着するだけでアクティブな印象を演出できる。モデルによっては大胆なレッドやグリーンの配色もあり、タグ・ホイヤーの他コレクションにはないカジュアルな表情が楽しめる。

 機能面では、精度の高いクォーツモデルを中心に、自動巻きクロノグラフまでラインアップされており、幅広いユーザーに対応する構成が魅力となっている。200mの防水性能と相まって、実用的な仕様が充実しており、見た目だけではない、頼れるスペックを備えている。

「タグ・ホイヤー モナコ」

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー モナコ クロノグラフ」Ref.CAW211P.FC6356
ケース9時側にリュウズが取り付けられた“レフティ”仕様が特徴のロングセラーモデル。自動巻き(Cal.11)。2万8800振動/時。パワーリザーブ約40時間。SSケース(縦39×横39mm、厚さ14.3mm)。100m防水。112万7500円(税込み)。
「タグ・ホイヤー モナコ」は、「角形ケースのクロノグラフウォッチ」として、今なお強烈な個性を放ち続けるコレクションだ。1969年に誕生した初代モナコは、自動巻きクロノグラフムーブメントを搭載し、さらに防水仕様のスクエアケースを実現したことで、当時の時計業界に衝撃を与えた。丸形が主流だった時代にあえて角形を選んだその姿勢は、半世紀を経ても色あせることなく、アイコニックな存在として多くの時計愛好家を惹きつけている。

 なお、タグ・ホイヤー モナコが広く知られるようになったのは、俳優スティーブ・マックイーンが映画『栄光のル・マン』で着用したことがきっかけだ。レースと映画、スピードとスタイルというふたつの世界をまたぐシンボルとして、モナコはカルチャーアイコンへと昇華されていった。角形ケースや鮮やかなカラーリングなど、他のモデルでは見られない独自のディテールが魅力だ。

 現在のモナコは、クラシックな意匠を引き継ぎながら、自社製ムーブメントであり、約80時間のパワーリザーブを有したCal.TH20-00を搭載したモデルなど、スペック面でも進化を遂げている。また、文字盤をオープンワークにした仕様など、モダンさが取り入れられたモデルも展開されている。モナコのアイコニックなフォルムを受け継ぎつつ、手元で個性を演出できるのは、時計好きにとってはうれしいポイントだ。

 人と同じではつまらない、自分のスタイルを貫きたいという思いに応えてくれる唯一無二のタグ・ホイヤーウォッチが本コレクションと言える。

「TAG Heuer Connected」

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー コネクテッド キャリバーE4 ゴルフエディション」Ref.CSBR8080.EB0284
タグ・ホイヤーが手掛けるコネクテッドウォッチのうち、人気のゴルフエディションが本作だ。クォーツ(Cal.E4 Wear OS byGoogle™搭載)。Tiケース(直径45mm)。50m防水。17万6000円(税込み)。
「TAG Heuer Connected」は、スイスの高級時計ブランドがテクノロジーの最前線に踏み出した挑戦的なコレクションだ。伝統的な時計作りをベースに、Googleとの協業で開発されたWear OSを搭載したこのコレクションは、ラグジュアリーとスマート機能を高い次元で融合させている。あくまでタグ・ホイヤーらしいデザインコードを保ちながら、日常にフィットする先進機能を搭載している点が、このシリーズ最大の魅力だ。

 外装はチタンやセラミックス、サファイアクリスタルといった素材を採用しており、見た目や質感は高級時計に引けを取らない。ダイアルはディスプレイでありながら、タグ・ホイヤー伝統のクロノグラフや3針スタイルを模したデザインが多意されるなど、その日の気分やシーンに応じて切り替えが可能なのもうれしい。最先端のコネクテッドウォッチでありながら、伝統的な時計としての美意識がしっかりと貫かれている。

 機能面では、GPSや心拍センサー、ワークアウトトラッカーなどスポーツ向けの要素が充実。掲載写真はゴルフに特化したモデルで、プレイ中のショット分析やスコア管理といった機能を手元でスマートに使いこなせる。また、スマートフォンとの連携によって通知管理や音楽再生までサポートし、ビジネスとアクティビティーの両面を支えるツールとして完成度が高い。

 TAG Heuer Connectedは、ラグジュアリーウォッチの文脈にありながら、現代的なライフスタイルにも自然と寄り添う存在だ。クラシックな1本では満足できない、テクノロジーとデザインの両方を追求したい人にこそ、選んでほしい。

「タグ・ホイヤー リンク」

タグ・ホイヤー「タグ・ホイヤー リンク」Ref.WBC1312.BA0600
エレガントなデザインの本コレクションの中でも、マザー・オブ・パールダイアルにダイヤモンドのインデックスを組み合わせることで、一際上品に仕立てた1本。クォーツ。SSケース(直径32mm、厚さ9.05mm)。100m防水。41万2500円(税込み)。
「タグ・ホイヤー リンク」は、スポーティーでありながらエレガンスも失わない、独自のポジションを築いてきたコレクションだ。

 1987年にタグ・ホイヤーが発表した「S/el(セル。Sport eleganceを意味している)」をルーツとしている。このS/elは、時計デザイナーであるエディ・ショッフェルが手掛けた名作のうちのひとつで、連結したふたつのS字型のリンクのブレスレットが特徴的なモデルであった。

 このS/elは1999年に「リンク」としてアップデートされる。しかし特徴的なS字型のリンクは受け継がれており、アイコニックなデザインを確立している。なお、このブレスレットは人間工学に基づいて設計されており、デザインとして優れているのみならず、快適な装着感にも寄与している。

 ケースが薄く仕立てられていることも特徴だ。滑らかな曲線を描いたケースフォルムとなっており、スーツスタイルにも少し特別な装いにも自然に溶け込む。ダイアルのデザインはシンプルで、上品さと高い視認性が共存するバランス感覚も魅力のひとつだ。

 現行コレクションにおけるケースサイズの展開は、直径32mmまたは41mm。タグ・ホイヤーは男性向けの腕時計ブランドといったイメージがあるかもしれない。もちろんそんなことはなく、とりわけこのリンクの32mm径モデルはエレガントなスタイルが多いため、女性の時計愛好家もチェックしてほしい腕時計となっている。パートナー同士、ペアで身に着けても良いだろう。

 


タグ・ホイヤーからお勧めモデル3本を紹介
 多彩なタグ・ホイヤーのコレクションについて、ご理解いただけただろうか。そんなコレクションのうち、お勧めモデルを3本紹介しよう。

「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref.CBS2216.BA0048
 


 

タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」Ref.CBS2216.BA0048
アイコニックな“逆パンダ”ダイアルを備える人気モデル、「ホイヤー7753 SN」に敬意を示す本作は、レトロな表情に現代的なエッセンスを加えた傑作である。自動巻き(Cal.TH20-00)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径39mm)。100m防水。103万4000円(税込み)
「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」は、クラシックな美意識と現代の技術が交差する、カレラらしさを凝縮した1本だ。インスピレーションの源は、1960年代の名作「グラスボックス」デザイン。ドーム型のサファイアクリスタルがケースの縁を覆うようにせり出すことで、ヴィンテージ感を演出しつつも、全体の造形はあくまで現代的に再構成されている。

 ダイアルはサンレイ仕上げのシルバーをベースに、3時と9時に配置されたブラックのインダイアルが視覚的なリズムを生む。通称“逆パンダ”配色が与えるコントラストは、視認性とスポーティーさの両立に寄与しており、クロノグラフ機能を使う際の読み取りもスムーズにできるだろう。

 ブレスレットはステンレススティール製で、エッジの効いたラインを持ちつつ、装着感は柔らかい。ポリッシュとサテン仕上げのコントラストが、手元にメリハリを生むと同時に、高級感を演出している。

 搭載されるムーブメントは、自動巻きクロノグラフムーブメントのCal.TH20-00。両方向巻き上げ式のローターにより、効率的な自動巻き機構を実現し、約80時間と、実用的なパワーリザーブを有する。安定した精度と信頼性に加え、ケースバックからはムーブメントの動きを視覚的にも楽しむことができる。

「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル300」Ref.WBP5111.BA0013
 


 

タグホイヤースーパーコピー アクアレーサー プロフェッショナル300」Ref.WBP5111.BA0013
海中という過酷な環境にあっても共に試練を乗り越えてくれる力強さとともに、COSC認定のCal.TH31-00を搭載することで、日常の相棒にもなってくれる。自動巻き(Cal.TH31-00)。30石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。SSケース(直径42mm、厚さ12mm)。300m防水。58万3000円(税込み)
「アクアレーサー プロフェッショナル300」は、海でも街でも使える万能なダイバーズウォッチとして、汎用性の高い1本だ。300m防水を備える堅牢なケースや逆回転防止ベゼルといったダイバーズウォッチの基本機能はしっかりと備えながら、デザインには洗練とモダンさが漂い、日常使いにもなじむ。

 ケース径は42mmで、厚さも抑えめに設計されており、ダイバーズウォッチとしての力強さを感じさせつつも、装着感は快適だ。12角形のベゼルとダイアルの明るめのブルーは、手元で存在感を放ってくれる。インデックスや針、ベゼルの12時位置にはスーパールミノバ®︎が塗布され、暗所でも視認性を確保している。

 ムーブメントにはCOSC認定のCal.TH31-00を搭載。約80時間のパワーリザーブが確保されているため、優れた精度で毎日をサポートしてくれる。

 なお、ケースバックはシースルー仕様ではなく、ダイバーズらしくしっかりとしたソリッドタイプが採用されており、プロユースに耐える構造となっている。

 ブレスレットはH型のステンレススチール製で、堅牢性と快適な装着感を両立。クラスプにはエクステンション機構を備えているため、工具なしで微調整が可能だ。

 海辺やスポーツシーンはもちろん、タウンユースやオフィススタイルにも自然にフィットするこのモデルは、実用性とスタイルのバランスを重視する人にとって最適な選択肢となる。タグ・ホイヤーのダイバーズラインを語るうえで欠かせない1本だ。

新しい文字盤を備えたパテック フィリップらしいこの時計は、

パテック フィリップの現行カタログのなかには、率直に言って、そこに属するとは思えない時計がある。プラチナケースのインライン永久カレンダーRef.5236Pである。5236Pは2021年にブルーの文字盤で発表されており、時計自体は新しいものではないが、カタログのなかで最も興味深く、最もパテック フィリップらしい時計のひとつであることに変わりはない。

5236Pは、口コミ第1位のパテックフィリップ スーパーコピー 代引き専門店の偉大な永久カレンダーの歴史を現代に応用したものである。
さて、説明しよう。パテック フィリップは、複雑機構、ケースデザイン、仕上げ、そしてエレガンスにおいて、間違いなく比類なき歴史を持っている。2499や2526のような時計を振り返ってみると、文句のつけようがひとつもない。同じことは、5970、5074、3974、5004、5078、3940、3970のあるシリーズ、そしてパテックの歴史的なカタログに掲載されている多くの時計についても言えると思う。現在において生産されている時計のなかには、上記のリファレンスとはまったくかけ離れたものがあるのだが、5236Pは違う。私にとって、これは純粋なパテックである。パテック フィリップは1925年に初の永久カレンダー腕時計を製造しただけでなく、1972年には1970年代初頭にポケットウォッチ用のインライン永久カレンダー機構を製造したことを理解しなければならない。

2021年にパテックはCal.31-260 PS QLを発表した。このキャリバーは、年次カレンダー・レギュレーター 5235Gのアーキテクチャの一部を取り入れ、世界初のインライン永久カレンダーウォッチRef.5236P(当時はブルーのグラデーション文字盤)を製作するために再設計された。

Cal.31-260 PS QLは3つの特許を取得。

個人的に外観はパテックのムーブメントらしく感じる。
31-260 PS QLに見られるのは、伝統的なフルブリッジ構造、プラチナ製マイクロローター(レギュレーターは22Kゴールド製)、503個もの部品(ベースキャリバー205、パーペチュアルカレンダー298)を搭載しながら、5.3mmという薄さである。もちろん、この時計の興味深い部分は、曜日、月、日をすべて同じ平面上に直線的に表示し、同時に変化(またはジャンプ)させるインライン表示だ。ツァイトヴェルクのファンなら誰でも知っているように、ジャンプするディスクを駆動させるには途方もないエネルギーが必要である。ツァイトヴェルクは毎分ジャンプし、本機は1日に1回しかジャンプしないが、パテックは永久カレンダーであり、またランゲよりもかなり薄い。

このキャリバーは実に素晴らしいもので、ディスクがジャンプする際の摩擦を軽減するシステム、二重ジャンプの危険性を排除し、ディスクを所定の位置に固定するアンチショックシステム、そして主にある月の31日から翌月の1日までのジャンプに焦点を当てた3つ目のシステムなど、その名の下に3つの新しい特許が申請されている。これらのことから言えるのは、5236Pには本物の時計製造技術が秘められているということだ。その上、このキャリバーは単純に美しく、パテックはいまでも私のようなド素人を喜ばせる高い能力を持っていると思わせてくれる。

プラチナケース、サーモンダイヤル、インライン表示式、自動巻き永久カレンダー? はい、ぜひお願いします。


5236Pは、私のお気に入りの時計のひとつである3448/3450からケースのプロファイルを拝借している。プラチナケースはすべて手作業でポリッシュされており、上の画像でその輝きを見ることができる。有名な3448は、ケースバンドにサテン仕上げが施されているため、鏡面仕上げが施されているかどうかは一目瞭然である。結局のところ、5236Pのデザインは非常に魅力的なものであり、この新しいローズゴールドめっきのオパーリン文字盤(サーモンダイヤル)の登場によって、その魅力は新たな領域へと昇華するはずである。

リファレンスはRef.5236P-010であり、Ref.5236P-001(同じ時計でブルーダイヤル仕様)と入れ替わるのではなく、カタログ上でRef.5236P-001に加わる。小売価格は14万1405ドル(日本での価格は税込2239万円)で、パテックの他のグランドコンプリケーションと同様、数量は非常に限られている。どの程度限定されるのか? そして、このRef.5236Pのような、最先端のイノベーション(3つの特許)と歴史的で力強い過去へのオマージュ(過去のケースと文字盤デザインのインライン永久カレンダー)を融合させた時計が、アクアノートやノーチラスを通して新たにパテック フィリップのファンになった人たちの愛と尊敬を得始めることを、私は望んでいる。私にとって、Ref.5236Pは真のパテックであり、言い換えれば本当に美しいものなのである。

これはシャネルが、J12を現代デザインのキャンバスとして使用したものだ。

プレタポルテ(Ready-to-Wear)、ビューティー、ウォッチ、ジュエリーのブランド認知度において、シャネルは他の追随を許さない。ガブリエル“ココ”が築き上げたデザイン言語やコードは、前述したすべてのカテゴリーにおいて強力である。“ココ”がブランドのために創り出した重要なヴィジュアルの柱である、リトルブラックドレス、キルティングバッグ、ツイードスーツ、ツートンシューズ、カメリア、パール、そしてシャネルのNo.5の香水は、カテゴリーの舵取りを任されたそれぞれのクリエイティブ・ディレクターによって再パッケージ、再利用され、現代のコンテクストに再構成されている。


シャネル時計スーパーコピー代引きは、1987年のジャック・エリュ(そしてプルミエールの発表)から始まった。それ以来、J12はブランドの巨大なセグメントへと変貌を遂げ、シャネルのウォッチメイキングの世界の中心に君臨し続けている。2000年代初頭に比べると目にすることは少なくなったかもしれないが、J12は誕生から24年経っても同じように認知されている。主にセラミックでつくられるこの時計はそれ自体が十分なコードとなっており、シャネルのウォッチメイキング・クリエイション・スタジオ・ディレクターであるアルノー・シャスタン氏は、J12をクラシックなシャネルのキャンバスに見立てて、未来的なひねりを加えた。時代を超越したスタイルによって流行を逃れる、シャネルのブランドとしての能力と、現在に根ざしたいというシャスタンの明確な願望のあいだには、明らかなパラドックスがある。これは故カール・ラガーフェルドが、(当時は)由緒あるファッション・ハウスを現代ファッションの歴史のなかで最も関連性が高く、話題となるブランドのひとつに生まれ変わらせることによって、ファッションに変革をもたらしたのと同じである。

クラシックなブラックとホワイトのJ12は、2019年にシャスタンによって刷新された。それ以来、さまざまな色、形、素材へと進化を遂げている。クラシックの最新リミックスは、新たにリリースされた(世界限定12本)38mmのJ12 X-RAY ピンク エディションである。透き通るようなピンクのオープンワークウォッチで、ベゼルの周りとインデックスにピンクサファイアを配している。ケースはベージュゴールドでできており、イエローゴールドよりも淡いピンクがかった色合いで、ローズやピンクサファイアクリスタルよりも少しピンクが抑えられている。

テクノロジー、デザイン、建築に共通する“現代的な”スタイルとして、透明性は常に未来的なモチーフとして機能してきた。何かの内部構造を見ることで、まるで私たちを未来に連れて行ってくれるかのように。表面的には、レトロフューチャリスティックでカートゥーン的(『宇宙家族ジェットソン』のよう)な世界観の現代的デザインだ。ただ今回に限って言えば、シャネルがウォッチメイキングにおいて常に行ってきたように、素材の最先端を行くための意図的な選択であったと私は考えている。J12は、市販された最初のセラミックウォッチのひとつだったことを忘れてはならない。技術的にはオープンワークの時計を“スケルトン”と呼ぶことができるが、文字盤、ケース、ブレスレットが透明な時計は、“機械製品を見せる”という伝統的なテクニックを超えている。サファイアはバラ色の携帯ケースのようなものとして存在し、時計とサファイアは、まるでピンククリスタルのなかに浮かんでいるように見える。真面目な時計でありながら、それほどシリアスでない態度だ。

私はテクニカラーのサファイアの斬新さに不思議な魅力を感じている。リシャール・ミル、ウブロ、シャネルの時計は、定義の限界を押し広げている。これは時計なのか? それとも精神的にはウェアラブルな現代アートに近いのだろうか? これらのサファイアウォッチは時を経ても価値があるのだろうか? それとも単に伝統的なデザイン疲れによる産物なのだろうか?

シャスタン氏は“技術性は創造のためにある”と主張しているが、シャネルのCal.3.1により、依然として機械的な整合性は保っている。自社製手巻きムーブメントを搭載し、特にタイマーブリッジ、プレート、歯車受けはクリスタルサファイアで製作されている。パワーリザーブは約55時間、防水性は30mだ。

1歩引いて大局的な分析をしてみると、カール・ラガーフェルド亡きあとの世界で、シャネルはどのような立ち位置にいるのだろうかと考えずにはいられない。ブランドには主に3つのカテゴリーがあり、それぞれにクリエイティブ・ディレクターがいる。しかし各部門(衣料品、美容品、時計、宝飾品)は同一のブランディング、共通のアンバサダー、3つのカテゴリーすべてで買い物をしたり投資したりする顧客層を通じて、相互につながっている。これは完全に統合された、ブランドエコシステムなのだ。ブランドのプレタポルテコレクションでは、ヴィルジニー・ヴィアール氏によるイノベーションが少ないように感じるが、シャスタン氏は明らかにリスクを取って、時計製造のオデッセイへと私たちを引き連れている。J12をセラミック製サブマリーナーと呼ぶのは勝手だが、シャネルのトレードマークであるこの時計は、時計デザインにおいて明らかにリスク取るブランドにとって、クラシックなキャンバスであり続けているのだ。

時計×ネックレス×オーディオが織りなす新しいファッションの形。

時計とアクセサリーの融合は、単なる機能と美の組み合わせにとどまらない。それは時間を視覚的に捉える、新たな表現形態の誕生でもある。時計の持つ信頼性とジュエリーが持つ感性的な輝きが調和し、時を刻むジュエリーとしての価値が生まれるのだ。


今回、シャネル時計スーパーコピー 代引きのプルミエールが新たに出合ったのはネックレスとイヤホンだ。プルミエールの特徴である美しい八角形のケースはそのままに、レザーが編み込まれたゴールドチェーンを胸元にまで伸ばした。

プルミエール サウンドの時計部分と有線イヤホン。

さらにこのプルミエールは有線イヤホンも付属。このイヤホンは、音楽をクリアで豊かな音質で楽しめるだけでなく、通話やボリューム調整、再生や一時停止といった基本操作も簡単に行える機能を備えている。伝統的なウォッチメイキングにモダンなテクノロジーが融合したこのユニークな製品はまさに、芸術品であり、時間を計る道具であり、そしてオーディオ機能を提供するアクセサリーである。


まずは時計から説明しよう。パリのヴァンドーム広場と、香水“シャネル N°5”のボトルストッパーからインスピレーションを受けた象徴的なオクタゴン型ケースは、18Kイエローゴールドコーティングを施したステンレススティール製。ダイヤルはブラックラッカー仕上げで、リューズの先端にはオニキスカボションをセット。内部にはシンプルな2針のクォーツムーブメントが搭載され、防水性能は30mだ。

黒い編み込み部分の上が有線、下がレザーだ。よく見ると質感が違うのがわかるが、ひと目見ただけでは気づかない。


次にオーディオ機能について。特筆すべきは、この編み込みレザーの一部分が有線イヤホンのパーツでもある点だ。ネックレスデザインに巧みに組み込まれており、パッと見ただけでは有線が隠されていることに気づかないほど自然になじんでいる。これにより装飾品としてのエレガントさを損なうことなく、実用的なオーディオ機能も提供しているのだ。


付属のイヤホンとオーディオ端子。


ベースのオーディオ端子はイヤホンジャックで、付属アダプターによりLightning、USB-C端子に接続が可能であり、アダプターを付け替えることでiPhoneやAndroidといったさまざまなデバイスに対応する。さらにケーブルには音量調整、音楽の再生と一時停止、また通話操作が可能なリモコンも搭載。リモコン部分にはマイクも内蔵されているので、イヤホンをつけたまま電話にも応答できる。

ⒸCHANEL
ケーブルとネックレスをつなぐ2カ所の留め具はワンタッチで着脱でき、そのケーブルを取り外せばシンプルなネックレスウォッチとしても活躍する。音楽を楽しむひとときや、特別な場面でのスタイルアップにも、このネックレスウォッチがさりげなくその存在感を発揮してくれる。
 シャネルのプルミエール サウンドは、見た目の美しさとオーディオが見事に融合したユニークな製品だ。だがその華やかな外観だけでなく、実際に使用してみると、いくつかの特徴が目立った。まず手に取った瞬間に感じるのは、その重量感だ。ロングネックレスなだけあって、ずっしりとした感触があり高級感を醸し出しているが、長時間首から下げているとやや疲れを感じるかもしれない。

プルミエール サウンドは、時刻を知るツールというよりもファッションアイテムとしての価値が高く、そこに時刻の確認や音楽を楽しむ機能が付加されているので、実際に時計を読む際には少々難があるかもしれない。時計を首から下げた状態で読むと、文字盤を真上から覗き込む形になるため正位置で見ることができない。このため時刻を確認する際には、時計を持ち上げるか針を180°回転して読み解く必要があるがそこはご愛嬌である。


オーディオデバイスとしての観点から見ると、クリアで深みのあるその音質は非常に優れたものだった。どうやらこの機器はアメリカ発のプレミアムオーディオブランドが製作しているようだ。もちろん、私は音楽デバイスの専門家ではないので、技術的な細部に関してははっきりと伝えられないが、私自身が音楽を楽しむ上で、この製品が提供する音質は確実に満足のいくものであると感じた。
 また外部の音をしっかりと遮断するパッシブノイズキャンセリング機能もすばらしく、騒がしい場所でも没入感のある音楽体験を楽しむことができた。

遠目からは一般的なロングネックレスにしか見えず、時計が付いているようには見えないデザインだ。
シャネルのプルミエール サウンドは、先進的なアイデアが見事に融合したアイテムであり、そのユニークさはほかに類を見ない。使用されているチェーンは、シャネルのアイコニックなバッグでおなじみの、ゴールドとレザーが交互に編み込まれたデザインである。このチェーンは1987年に初めて発表されたプルミエールウォッチから続くものであり、その伝統を受け継ぎながらも、時計とオーディオ機能を組み合わせた特別なアイテムとなっている。そしてこれは、あくまでこのチェーンネックレスがデザインの主役であり、そこに時計やオーディオ機能が付加されたものである。


これはシャネルならではの大胆な発想と、ファッションとテクノロジーの融合によって生み出されたアクセサリーだ。もし予算が許すなら、私もぜひ手に入れたい。音質がいいため音楽を聴く時間がより豊かになるだろうし、特別な日のおしゃれにはもちろん、何気ない日常にも華やかさと快適さをプラスしてくれるだろう。
シャネル プルミエール サウンド。18KYGコーティング(0.1 ミクロン)のSSケース、26.1mm(縦)×20mm(横)×7.65 mm(厚)。30m防水。高精度クォーツムーブメント、時・分表示。取り外し可能なYGカラーコーティングを施したSS製イヤホン、シリコン製イヤーピース。マットブラックケーブルにブラックコーティングを施したSS製マイク、コネクター、リモコン。ブラックとYGカラーコーティングを施したSS製オーディオジャック(3.5mm)。マットブラックケーブル&ブラックとYGカラーコーティングを施したSS製イヤホンジャックアダプター付属。シャネル ファイン ジュエリー 銀座並木をはじめとした全国のシャネル ファイン ジュエリー ブティック(一部店舗を除く)にて、2024年9月2日に発売。価格は253万円(税込)

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