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2025年09月の記事は以下のとおりです。

タイメックスグループ、タイメックス部門の新プレジデント、

タイミングが合わず、マルコ・ザンビアンキ氏への取材は実現しなかったが、ジョルジオ・ガリ S1 オートマチック、そしてジョルジオ・ガリ S2 オートマチックを手がけ、これまでの安価なカジュアルウォッチというイメージとはひと味異なる、新たなタイメックスの魅力を打ち出すジョルジオ・ガリ氏にインタビューすることができた。時計デザインにおける知られざるバックストーリーや、時計業界に大きなインパクトを与えるかもしれない現在進行中のプロジェクトについても話を聞いた。

ジョルジオさんがタイメックスグループに参加されてからの経歴を教えてください。

正確には1994年からタイメックスとは繋がりがありました。1994年にベネトンの持ち株会社だった21 インベスト(21 Investimenti)と協力して、時計やインダストリアル、プロダクトデザインなどを手がける会社を設立したのですが、90年代に人気だったベネトンウォッチは実を言うとタイメックスグループで作られていたんですよ。

 タイメックスグループに参画し始めたのは1996年ですね。といってもタイメックスブランドではなく、グループのライセンスブランド、ノーティカ(NAUTICA)の時計に携わるようになったのが最初です。その後、ヴェルサーチェなどほかのライセンスブランドの時計デザインにも参画して、2001年にコンサルタントとしてタイメックスに携わり始めました。

 ですから、すぐにタイメックスをやり始めたというわけではなく、ライセンスブランドからスタートして、たくさんの時計をデザインしましたね。2007年半ばには自分のデザイン会社をタイメックスに売却して、タイメックスデザインセンター/ジョルジオ・ガリ デザインラボ(Timex Design Center/Giorgio Galli Design Lab)という名前のデザインハウスを立ち上げるという形で、タイメックスのクリエイティブディレクターになりました。

佐藤
タイメックスに参加してデザインした代表作、特に思い入れのある時計はありますか?
ジョルジオ
 それはとても難しい質問ですね。もちろん過去にたくさんの時計をデザインしてきましたが、長年携わるあいだに常に進化していくもので、過去のことは過去のこと。私としては常にいま出しているもの、現在の最新デザインが自分の代表作だという気持ちで仕事をしています。

 答えになっているか分かりませんが、これがタイメックスだと言えるような何かを作りたいとは思っています。歴史や、そのなかで埃を被ってしまっているような部分をキレイに整えて、ブランドのコアとなるもの、ブランドを次のステップ、レベルに引き上げるためのコンセプトを常に考えています。本来ブランドが持ってる価値に焦点が当たるスイートスポットを見つけ出して、それを磨き上げるようなことをやっていきたいのです。でもそれは懐古主義ということではなく、ブランドの持つ価値を新しい視点で解釈し、新しいものを作り上げて、それをお客様に伝えていくということを意識しています。
 

佐藤
ジョルジオ・ガリ S1 オートマチックや、S2 オートマチックなど、近年はハイエンドなラインナップを拡大しようという意図が感じられますが、それはなぜですか?
ジョルジオ
 最近はそうした商品も出していますが、ブランドのコアはこれまでと同じで、高品質で求めやすい価格の時計を提供するというところはまったく変わっていません。やはりそこがブランドのDNA、ベースであるということはとても大切なことなのです。タイメックスのバックグウンドとして、例えば“ダラーウォッチ”のように1ドルに近い価格で懐中時計や、腕時計を提供していました。“この価格帯でこんなものが手に入る”というような革新性のあるものをタイメックスが出していたという歴史があります。

 ラインナップの拡大というよりも、ブランドとして自分たちのプロダクトの信頼性を増したり、コアとする価格帯ではないけれどクオリティやディテールに関して、これだけの技術力を持ち、信頼性の高いものが作れるということを示す側面が大きいですね。高級化を狙っている、高い時計を売りたいということではなくて、 この価格帯でこんなことができるブランドなんだということを見てもらうためのラインナップであると言えます。

 いい品質のものを手にしやすい価格帯で提供しようという部分は変わってないということがブランドにとって非常に重要なのです。(ジョルジオ・ガリ S2 オートマチックなどは)タイメックスとしては高く見えるかもしれませんが、相対的に世の中にあるほかのプロダクトと比較したときに高額になってしまうようなものも、同じ仕上げ、同じ品質でタイメックスは手にしやすい価格で提供していることを知ってもらいたいというのが、最近のラインナップの意図ということですね。

佐藤
S1、S2などに見られる、肉抜きしたミドルケースデザインはどのように生まれたのですか? 
ジョルジオ
 そもそもジョルジオ・ガリコレクションというのは、 タイメックスグループのCEO(トビアス・リース・シュミット/Tobias Reiss Schmidt)から「これまでにたくさんデザインをしてくれているけど、自分が本当にしたいことは何かある?」という宿題をもらったことがきっかけで誕生しています。そのときはアメリカにいたのですが、ミラノに帰っていろいろと考え、自分のエッセンスとタイメックスというブランドの名前から逸脱しないけれど、モダンなスタイル、現代っぽさを少し感じさせるものにしたいと思いました。自分の名前を冠したコレクションをタイメックスブランドとして出すにあたって、やはりタイメックスでのキャリア、そしてデザイナーとしての自分自身のキャリアをどうやったら掛け合わせることができるかを考えたのです。

 コレクションに共通して取り入れている肉抜きしたミドルケースデザインというのは、実は1996年にノーティカをデザインをしたときに取り入れていたディテールです。いまでこそ珍しくはないですが、当時はとても珍しいデザインでありディテールでした。ですから、自身の名前がついたプロダクトを形にするにあたって、これを現代的にアップデートして取り入れることは、デザイナーとしての自分自身のキャリア、タイメックスブランドとしてのキャリアとしてもふさわしいものになると考えました。そこに新しさを加えることは楽しい一方、挑戦的なことではあったのですが、おかげさまでS1もS2も非常に好評で多くの反響がありました。 今後何十年か経ち、ブランドのアーカイブに入ったらうれしいですね。

佐藤
ジョルジオ・ガリ S2 オートマチックは40年ぶりのスイス製タイメックスだそうですが、何か特別な意図はあったのでしょうか?
ジョルジオ
 ちょっと厳密な年は分かりませんが、おそらく70年代の初め頃にそういう時計があったようですね。それがどうして消えてしまったのか、どんな時計だったのかは定かではないのですが…。 ただ、S2に関して言うと最初からスイスメイドのムーブメントを使おうという特別な意図はありませんでした。

 強調しておきたいのは、スイスメイドのムーブメントの使用は戦略やマーケティングの観点に基づいたものではなくて、結果論として搭載されたということです。S2のデザインをしていくなかで、どうやったらより洗練させられるか、よりよいものができるのだろうだろうかと考えたときに、これまでと同じようなムーブメントではなく、スイスメイドであればよりブラッシュアップされて、品質も上がるだろうということ、とにかくいいものを作ろうという考えの結果であることは付け加えておきたいですね。

 ジョルジオ・ガリコレクションは、自分が作りたいものを作るということからスタートしていることもあって、最終サンプルを見せるまでCEOには途中経過や資料のチェックなども特になくプロジェクトが進んでいきました。そういった信頼関係のなかで仕事できたことは幸運でしたし、タイメックスのような規模の大きな会社でそれが実現できたのはユニークだったと思います。売れたという事実もそうですが、タイメックスで新たな魅力を示すことができたのは、このコレクションがもたらしたプライスレスな成果です。

佐藤
デザインする上で大切にしていること、あるいはデザインにおけるプライオリティはありますか?
ジョルジオ
 いきなり時計をデザインし始めるわけではないんですよ。もちろんどんなプロジェクトなのか、どんな時計を作りたいか、作らなければならないかによっても異なりますが、私の場合はストーリーから始めます。大きなビルがあるとして、どういう景観に対して、どういうビルだったら美しいか、どういう建物が求められているかということにも言い換えられますが、“もしこんな時計があったらどうだろう?”ということを夢想して、どういう時計が求められるかを考え始めるのです。例えばアーリーセンチュリーかミッドセンチュリーか、スポーティーかエレガントかによっても考えることは変わっていきます。そこから、この時計をつけたらどうだろうと思いを巡らせて、まずはケースのシェイプ、そこから文字盤、針、インデックス…と、考えていくのです。

 ディテールはもちろん詰めていくんですけど、最初にデザインする上で考えるのは、まずストーリーがあって、この時計をする人はどういう人だろうとか、どういうふうにつけてもらいたいか、つけたらどんなふうに見えるだろうかと考えて、そこにちゃんとストーリーが伴うことが非常に大事なことだと思います。

 今日持っているマーリンジェット オートマチックを例にしてみましょう。マーリンは実際に1950年代、60年代にあったタイメックスの時計なんですが、60年代に有名だった『宇宙家族ジェットソン』というアニメからインスピレーションを得ました。この時計をデザインするときに考えたのは、60年代の時計を復刻することではなくて、例えば、その『宇宙家族ジェットソン』に見られる60年代の人たちが見ていた近未来ってどんなものだっただろうということでした。いろいろな資料を参考にしながら、そっくりそのままそれを持ち込むのではなくて、それを自分なりに解釈して、ここをこうしたら今っぽくなるのではないかという考えを詰め込んだのが、このマーリンジェット オートマチックです。ちょっとレトロスペクティブではあるけど、ただ60年代当時のままではなく、その当時の人たちが、どういう近未来を想像していたかを時計で表現しています。
 

 

ロレックス チェリーニに代わるドレスアップモデルとして1908コレクションを発表した。

昨年、パーペチュアル 1908コレクションをローンチしたロレックスだが、この度新たなドレスコレクションとしてプラチナケースに“ライスグレイン”モチーフダイヤルを組み合わせた時計を投入した。ロレックスは昨年のリリースで伝統的なスタイルを守ったが、プラチナ 1908はより大胆なステートメントを目指しているようである。

ロレックスは昨年、チェリーニに代わるドレスアップモデルとして1908コレクションを発表した。イエローゴールドとホワイトゴールドケースに、シルバーまたはブラック文字盤を組み合わせたシンプルなモデルを4型リリースした。そしていま、プラチナ 1908が導入された。典型的なロレックススタイルでありながら、“ライスグレイン”と呼ばれるモチーフのアイスブルー文字盤と組み合わされている。ブラウンのアリゲーターストラップには、昨年の1908ストラップと同様、グリーンの裏地が付いている。

ロレックスによると、文字盤はエンジン・ターニング(ギヨシェ彫り)加工が施されており、切削工具を用いて文字盤の表面に模様を彫刻している。それはロレックスがいかに、“パーペチュアルコレクションを、古典的な時計製造技術へのオマージュとして据えているか”を示している。数字、スモールセコンド、インデックスは、昨年の金無垢バージョンと同じ。プラチナケースのサイズは39mm、厚さは9.5mm。シースルーバックから見えるのも既存モデルと同様、ゴールドローターを備えたロレックス製Cal.7140である。シリコン製シロキシ・ヘアスプリングと、約66時間のパワーリザーブを備えた自動巻きムーブメントであり、ロレックスの最高水準である、日差-2~+2(ケーシング後)という精度を誇る。


プラチナ製パーペチュアル 1908の希望小売価格は437万300円(税込)だ。

我々の考え

昨年発表されたパーペチュアル 1908コレクションはワクワクしたが、ロレックスの新しいドレスウォッチのラインナップの基礎を築いただけのように感じたのも事実。また39mmはそのほとんどの面積が文字盤のため、少し大きく感じた。ただ新しい“ライスグレイン”ギヨシェのモチーフは、そのスペースを埋めるものであり、そのテクスチャーパターンが実際にどのように見えるのか、楽しみにしている。
 それ以上に、私はロレックスが1908を“伝統的な時計製造技術に自社のノウハウと創造性を注いだオマージュ”と表現したことに興味をそそられる。これが1908の方向性であるならば、複雑さ、クラフツマンシップなど、今後多くのバリエーションが広がる可能性を秘めている。


基本情報
ブランド: ロレックス(Rolex)
モデル名: パーペチュアル 1908(Perpetual 1908)
型番: 52506

直径: 39mm
厚さ: 9.5mm
ケース素材: プラチナ950
文字盤: アイスブルー
インデックス: アプライド
防水性能: 50m
ストラップ/ブレスレット: ブラウンアリゲーターストラップ、プラチナ製デュアルクラスプ

ムーブメント情報
キャリバー: 7140
機能: 時・分・スモールセコンド
パワーリザーブ: 約66時間
巻き上げ方式: 自動巻き
振動数: 2万8800振動/時
石数: 38
クロノメーター: 高精度クロノメーター(日差-2~+2秒)

価格 & 発売時期
価格: 437万300円(税込)

ユーティリティ

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