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グランドセイコー 機械式クロノグラフムーブメント“テンタグラフ”が満を持して登場。

グランドセイコーの“テンタグラフ”は、僕が長らくその登場を楽しみにしていた時計のひとつでした。その理由は、このモデルがリリースされるよりも数年前に特許庁の公開公報(商標)のなかで“TENTAGRAPH”の文字を見つけていたからです。

“TENTAGRAPH”の名称は、TEN beats per second(10振動)、Three days(3日間のパワーリザーブ)、Automatic(自動巻き)、chronoGRAPH(クロノグラフ)から取ったもの。

直径43.2mm、厚さ15.3mmとマッシブなブライトチタン製ケースに印象的なブルーダイヤルとブラックセラミックスベゼルを備えたモダンでスポーティな印象のクロノグラフは、見本市のショーケースのなかでもひときわ存在感を放っていました。

グランドセイコーのブースで実際に手に取ってみると、その大振りな見た目に反して非常に軽快感のあるケースに驚き、美しいダイヤルを眺め、クロノグラフを操作しながら「やはり実機で見なければわからないことは多い」と改めて実感しました。

ですが、このグランドセイコー初の機械式クロノグラフがいったいどんなものであるかを見極めるためには、さらにたっぷりと時間をかけてレビューをする必要があることも明らかでした。

グランドセイコーのクロノグラフ
SLGC001を深掘りする前に、グランドセイコーのクロノグラフを簡単におさらいしておきましょう。同社のクロノグラフウォッチの根底にある価値観が見えてくるからです。

グランドセイコーは、1960年に「世界に挑戦する国産最高級の腕時計をつくる」という志のもとに誕生して以来、高い時間精度、見やすさ、使いやすさ、耐久性という腕時計の本質を高い次元で追求・実現してきたブランドです。

意外に思われる方もいるかもしれませんが、2007年に自動巻きスプリングドライブクロノグラフ GMTのCal.9R86が登場してからグランドセイコーのクロノグラフムーブメントはスプリングドライブのみ。

大きなトルクで半永続的な動力源を持つ機械式時計と高い精度と安定性を持つクォーツ式時計の両方のよい部分を取り入れながら、脱進機と電池という本質的な構造的弱点を排除したスプリングドライブは、ブランドの思想を反映したクロノグラフを実現するためのベースとして、最適だったのです。

約72時間(約3日間)のパワーリザーブと平均月差±15秒(日差±1秒相当)を誇るCal.9R86は、世界で最も正確なゼンマイ駆動のクロノグラフのひとつです。

また、Cal.9R86を搭載したブランド初のクロノグラフ SBGC001は、計時の際の視認性を高めるためにクロノグラフ秒針と5分の1秒単位の細かい目盛りの距離をギリギリまで詰めるなど創意工夫が盛り込まれていました。
ここから見えてきたのは、グランドセイコーのクロノグラフを理解するためのキーワードが「高精度」「堅牢性」「視認性」そして「ユーザビリティ」であるということです。

エボリューション9 コレクション “テンタグラフ” SLGC001

ムーブメント

グランドセイコー初の機械式クロノグラフCal.9SC5は、ベースムーブメントのダイヤル側にクロノグラフモジュールを組み合わせたモジュール式クロノグラフムーブメントです。

実は「毎秒10振動のクロノグラフを作る」というアイデアは10年以上前からあったそう。テンタグラフの企画を担当したセイコーウオッチ商品企画一部の江頭康平氏によれば、「2009年発表のCal.9S85がベースとして候補に上がっていたものの、厚みのあるケースと約55時間というパワーリザーブから難しいと考えました」。

それを解決し、テンタグラフの完成を実現へと導いたのが、2020年に発表されたハイビートムーブメントCal.9SA5でした。「Cal.9SA5は薄く、パワーリザーブも長いのです」。

ベースのCal.9SA5は、ハイビート(3万6000振動/時)にして約80時間のパワーリザーブを実現するため、ふたつの香箱を並列に配置するツインバレルを採用。動力ゼンマイの力を効率よく伝達するためのデュアルインパルス脱進機、安定した精度を実現するためのグランドセイコー独自の巻上ひげやグランドセイコーフリースプラングなど、同ブランド誕生以来のスキルと経験が結集して作られた次世代のムーブメントです。

9SA5は水平輪列構造が取り入れられることで薄さを重視したキャリバーであったため、発表当時から今後の展開についても期待されていましたが、その最初のムーブメントとなったのが、この自動巻きクロノグラフCal.9SC5というわけです。
クロノグラフモジュールには垂直クラッチとコラムホイールが採用されており、フルスクラッチから設計されたもので、そのすべてはダイヤル側に配されています。そのためトランスパレントバックから確認できる部分のムーブメントは基本的にCal.9SA5と共通です。

もちろんムーブメントの曲線を多用した造形、デザインや面取りなどの審美的な美しさは素晴らしいですが、クロノグラフ機構を搭載したことによるムーブメントの構造を見たいという思いに駆られます。

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